2002年 北京2

3月1日(金)
「鼓楼、鐘楼」


 太極拳in北京(1)(左のアンダーバーをクリックしてご覧ください)
2年ぶりに会える。お土産もある。喜んでもらえるだろうか・・・覚えてくれているだろうか・・・?

北京の下町
さあ、出かけよう!まずは、近場から攻めることに。
今は10時、午後の3時30分にメル友と会う約束をしているから、それまで故宮の北側周辺を散策しよう。
北京の街は故宮(紫禁城)を中心に方角を見る。私の泊まっているホテルは北に位置している。
故宮から真北に「鼓楼(ころう)」と「鐘楼(しょうろう)」が縦に並んでいるはず・・・。
ホテルの近くにあるはずなので、地図を頼りに向かうことにした。
この辺は、むかしの面影が色濃い地域である。
例えば、私が宿泊しているホテルも四合院だし、周りにはそんな建物が多く見られる一角でもある。

路地に入ると空から笛の音がする。「なんだ?」と見上げると、‘鳩笛’である。
北京の人たちの趣味のひとつに‘愛鳥’がある。かごの中に鳥を飼い、
空気のいい木の高い位置に吊るしたり、公園で自分の鳥自慢をしたり・・・といった光景がよく見られる。
鳩に笛をくくりつけて、飛ぶと風を受けて笛が鳴るのを楽しむ人もいる。
ちょうど、凧が鳴るのに似ているが、距離が近いのと、何羽も鳴るのでそれはそれは壮観な眺めだ。
「ああ、これが‘鳩笛’か」と空を眺めた。

めざすは‘鼓楼’
古い地区なので、この辺は路地が複雑にいりくんでいる。
私は、ギリシャ・アテネで路地に入り込んで出られなくなった経験がある。
近道より安全を期して、大通りを歩くことにした。大通りなら碁盤の目なので迷うことはない。
私は北京に何度か来ているが、時間に縛られない旅は今回が初めてである。
ひとりなので気ままに歩ける。これぞ一人旅の特権!私は、初めての土地でも緊張はないし、
すぐ馴染める得な体質なので、日本にいるのと、ほとんど感覚が変わらない。

道々、薬局を見つけ「父に眼病の薬でも買おうっと」入ってみたり、毛糸店を見つけたときも
「手編みのセーターがたったの10元(日本円にして約170円ほど)安ーい!」と、道草しながらプラプラ歩いていた。
・・・と、突然目の前に!

 突如現れた鼓楼 「おおっ!」パシャ!


初のお金の使い道は入場料(外国人用20元)だった。
(中国の人は証明書を持ち歩いていて、大きな公園や施設ではそれを提示することで料金が違う)
門をくぐると、ブースの中にいた青年が出てきて私に日本語で話しかけてきた。
日本語を勉強中らしく、発音があってるかどうか聞いて欲しいという。
「これは何と読みますか?」と熱心である。
ここは、観光ルートから外れているので、観光客といっても私のような個人旅行者だけのようだ。
日本人は滅多に来ないだろう。この時だって私は日本人に会わなかった。
なんだか、私の方が発音おかしいかも?という、デタラメ日本語を教え中へ・・・。

鼓楼はその昔、北京に1時間刻みで鳴らして時を知らせていた。その太鼓が置かれている。
上に登る階段の急なこと(泣)私は今朝から歩き通しで既に腰が痛かった。
それでも登るしかない!上では運良く太鼓の実演がありました。

 「ええーっ!これ、登んのお!(泣)」


上での客はヨーロッパ人5人と私だけ。
南に真っ直ぐ延びた道の先には‘景山公園’その小山の向こうが‘故宮’その先に‘前門’のはず。
右に見えるのは‘前海’‘後海’。私はこれから‘後海’方面に行こうと考えている。

 鼓楼の上から故宮方面を見る


実演の終わった係りの少女に「ねえ、あれが‘後海’なの?」と聞いてみた。
「あれは‘前海’です。その奥が‘後海’です」 
ふーん、かなり大きい・・・それにしても、見下ろした町並みにマクドナルドの看板。邪魔くさい。
ホテルからここに来るまでに2軒もあった。まったく邪魔くさい。
なにがマクドナルドじゃ!北京の町並みに似合わないから!
昨日今日のアメリカに中国5000年の歴史ある北京が毒されている・・・。
ジャンクフードの赤い看板に北京が汚されるなんて許せん!断固反対!猛反対!

  太鼓の実演


ところで今日はとっても寒い。
‘後海’にある骨董街に行こうと考えているが、果たして辿り着けるだろうか・・・?

 案内係りの少女


‘鼓楼’売店
ハガキでも買っていこうか、と売店を覗いてみた。客は私ひとりだった・・・。
中国旅行の度、ひとつずつ集めている‘白檀’を発見。
前回2000年に来た時は見つけられなかった。樹が少ないのだろう。
今や貴重品となりつつある‘白檀’である。早速交渉開始!
「これいくらですか?」「100元」「はあ?高ーい!」「高くない、高くない・・・」
「こっちはいくらですか?(一番大きいのを指して)」「250元」「うーむ・・・」
「これがいいよ(100元の方)」と売店のおじさんは、小さいほうを勧める。
「前にそういう小さいの買ったら、匂いしなくなった。だから小さいのは要らない」
「これは、大丈夫だよ本物だから」
「(信じられない)大きい方がいい!まけて!」「いくらならいい?」「(思い切って)50元!」
「あれまー!そりゃないよー!これ本物よ!10年以上匂っているんだから!」と。
「わかった!ハガキも買うから。全部で60元!(どういう計算だ?)」「そりゃないよー、大損だよー」
「わかった、わかった!この茶器も買うから。全部で80元!(向こうの損失が大きくなっていく?)」
「あいやー、言ってくれるねえ・・・ふーむ・・・好了好了!」やったー!交渉成立!
中国での買い物には粘りがと根性が必要です。
欲しいと決めたら、じっくり時間をかけて粘る。私はこういう買い物が大好きです。
でも、値札が付けられるようになった昨今の中国で、こういった値切りの風景が消失するのも時間の問題のようです・・・。

‘鐘楼’
鼓楼のすぐ後ろが「鐘楼」である。西安の大雁塔を思わせるたたずまい。
ちなみに鼓楼の方は西安の西門を思い出させた。鼓楼と鐘楼は印象の全く違う建物である。


鼓楼の上から見た「鐘楼」(故宮と反対方向)
カッコいい!砂岩色の建物になぜか惹かれるものを感じる私・・・


こちらのほうは売店もなく、1階が喫茶室になってるだけで、2階に昔の大鐘が飾ってあるだけ。
そこから、更に北を見下ろすとこれ以上高い建物はなく、低いバラックのような屋根が延々と続いていました・・・。
この風景も2008年オリンピックまでに一掃されるのかなあ・・・?
いずれ消え行く風景であることは確かです(悲)

 大鐘。展示のみで、鳴らすことはできない


その昔は、北京で一番高い建物が現在の天安門でした。(1994年中国に詳しく書いてます)
私は今、北の端、鐘楼にいる。「よっしゃ!北制覇!」
次にめざすは‘後海’・・・それにしても今日は寒い。

‘前海’界隈
‘後海’にある骨董街をめざし歩き始めたが、湖沿いの道に出られない。
通りすがりのお姉さんに聞いてみた。(このお姉さんウオークマンを聴いていた)
路地を抜けると出る、と教えてくれた。入ってみるとそこはタイムポケットだった。
ギリシャのプラカ地区そのもの、いやそれ以上に入り組んでいて、一度踏み込んだら最後、もう戻れない!
「えらいとこ入っちゃったよー」
でも、お姉さんの言葉を信じて進むしかない。路地は本当に狭く、庶民の生活が丸見えだった。
分かれ道だらけだったが、勘を頼りに歩いてめでたく‘前海’のほとりに出た・・・。


前海。延々続く・・・思いのほかデカイ。海とはよく言ったもの


ここをまっすぐ湖に沿って歩く、歩く、ひたすら歩いた。寒いし、疲れた。何より広い。広すぎる!
行けども行けども湖。目的物が見える気配はない。
「もう、戻ろう・・・」と、決めて歩いていたら人力車の行列が通りかかった。
「うっわー、団体客だよ・・・」20台から30台は連なっている。ヨーロッパ人の団体さんである。
私も乗ってみたいと思うが、まだその機会はない。

 これだけ連なると壮観だ!


湖では釣りをする人、鳥を樹のてっぺんに上げて自慢げに鳥自慢するおじさん・・・。
北京の生活がまんま見ることができる。ひとり満足し日本に帰りたくない、と思う私だった・・・。

太極拳の像を発見!「誰?」像になってるくらいだから有名人なんじゃないの?
像の人物については不明のまま(北京の太極拳してる人にも聞いてみたが知らなかった)ですが、
太極拳のCDの表紙にも使われている像だった・・・いったい、おじさん誰?

 「・・・劉家洪・・・誰?」 


なつかしの‘サンザシ’と、はじめての‘刀削麺’
小腹がすいてきた、サンザシの串刺し発見。
「懐かしいなあ・・・」
1994年に初めて中国にきた時、万里の長城でサンザシ(その当時は名前を知らなかったが)の干物を買って食べて、
添乗員さんに「変なもの食べないでよ!」と、どやされたことがある。
サンザシは健康食品として、よく食べられている。干物にしたり、砂糖を加えてお菓子にしたり、
実のまま串に刺して飴をかけたり、といろんなバリエーションで見かける自然食品である。
りんごを小さくしたような実で、甘酸っぱい。
「どれ、串刺しバージョンを食べてみっか」と、試してみたがこれが不味いのなんのって!
‘前海’にボッチャン棄てた。

 北京の下町は情緒がある



串に刺さっているのが、サンザシのお菓子じゃ!この建物も取り壊される運命にあるのか?(悲)
食べ物にしても、こういった昔ながらのお菓子は食べられなくなるかも・・・
マクドナルドに押されて・・・(悲)


私はB級、いやC級グルメである。美味しいものは大好き!
でも、日本で食べられるような高級中華には全く興味がないときてる。
今回の食のテーマは、麺!その中でも、刀削麺(とうしょうめん)が食べてみたかったのだ。
普通の食堂よりは麺専門店なら、確実にありそうだ。折りよく通りがかりに‘杭州麺’店があった。
外にメニューが出ていました。
「あったー(喜!)」
天井の低い、小さな店で、二部屋に仕切られていている。片方はテレビがあって賑やかだ。
昼時を過ぎているのに小さな店内は満員だった。お店の兄ちゃんが「相席だけどいいかい?」という。
「かまわないですよ」と、学生さん風の青年の前に座らされた。
「(・・・なんか、緊張する)」と、固まっていた。そこへ刀削麺登場!
青年と向かい合って、緊張しながら麺を食べる。
「(これが刀削麺かあ・・・)」平たくて短い麺に五目の具がのっかって醤油味で、なかなか美味しかった。
他の料理も食べてみたかったが、刀削麺だけでも量が多すぎて、食べ残しそうだったので、やめておいた。

薬局で・・・
中国といえば漢方!
日本にはない秘薬があるのでは、と父の腰に効きそうな薬を求め薬局に寄った。
「こんにちは、腰痛の薬ください」と行くと、薬局のお姉さんは「塗るの?貼るの?飲むの?」ときた。
「あー・・・えーと・・・じゃ、塗るので!」と買ったはいいが、ホテルで箱に書いてある漢字を読んだら、
「バン・・・テ・・リン・・・?バンテリン!?これって日本製じゃないのかぁ?」
中国5000年の歴史に期待した私っていったい・・・。

別の薬局では、緑内障に効く目薬があるか尋ねてみた。
日本では緑内障治療の薬はないと聞いている・・・。進行をくい止める目薬しかないのだ。
でも、中国5000年の漢方なら、秘薬があるかもしれないではないか。
尋ねたら、中国では緑内障の事を‘青光眼’というらしい。
このことを私は知らなかったが、「眼のね、圧力が高くなるのよ」と説明したところ、
「それは青光眼といいます。薬はありません」とキッパリ言われてしまった。
中国5000年の歴史をもってきても、緑内障は治せないのか・・・。



 武者修業in北京(1)(左のアンダーバーをクリックしてご覧ください)
この後、3時半に約束している太極拳のメル友に会いに行く。どんな人なんだろう?
顔も分からないでほんとに会えるんだろうか・・・?


北京3につづく






vol.42