太極拳in北京(1)(左のアンダーバーをクリックしてご覧ください)
2年ぶりに会える。お土産もある。喜んでもらえるだろうか・・・覚えてくれているだろうか・・・?
北京の下町
さあ、出かけよう!まずは、近場から攻めることに。
今は10時、午後の3時30分にメル友と会う約束をしているから、それまで故宮の北側周辺を散策しよう。
北京の街は故宮(紫禁城)を中心に方角を見る。私の泊まっているホテルは北に位置している。
故宮から真北に「鼓楼(ころう)」と「鐘楼(しょうろう)」が縦に並んでいるはず・・・。
ホテルの近くにあるはずなので、地図を頼りに向かうことにした。
この辺は、むかしの面影が色濃い地域である。
例えば、私が宿泊しているホテルも四合院だし、周りにはそんな建物が多く見られる一角でもある。
路地に入ると空から笛の音がする。「なんだ?」と見上げると、‘鳩笛’である。
北京の人たちの趣味のひとつに‘愛鳥’がある。かごの中に鳥を飼い、
空気のいい木の高い位置に吊るしたり、公園で自分の鳥自慢をしたり・・・といった光景がよく見られる。
鳩に笛をくくりつけて、飛ぶと風を受けて笛が鳴るのを楽しむ人もいる。
ちょうど、凧が鳴るのに似ているが、距離が近いのと、何羽も鳴るのでそれはそれは壮観な眺めだ。
「ああ、これが‘鳩笛’か」と空を眺めた。
めざすは‘鼓楼’
古い地区なので、この辺は路地が複雑にいりくんでいる。
私は、ギリシャ・アテネで路地に入り込んで出られなくなった経験がある。
近道より安全を期して、大通りを歩くことにした。大通りなら碁盤の目なので迷うことはない。
私は北京に何度か来ているが、時間に縛られない旅は今回が初めてである。
ひとりなので気ままに歩ける。これぞ一人旅の特権!私は、初めての土地でも緊張はないし、
すぐ馴染める得な体質なので、日本にいるのと、ほとんど感覚が変わらない。
道々、薬局を見つけ「父に眼病の薬でも買おうっと」入ってみたり、毛糸店を見つけたときも
「手編みのセーターがたったの10元(日本円にして約170円ほど)安ーい!」と、道草しながらプラプラ歩いていた。
・・・と、突然目の前に!
初のお金の使い道は入場料(外国人用20元)だった。
(中国の人は証明書を持ち歩いていて、大きな公園や施設ではそれを提示することで料金が違う)
門をくぐると、ブースの中にいた青年が出てきて私に日本語で話しかけてきた。
日本語を勉強中らしく、発音があってるかどうか聞いて欲しいという。
「これは何と読みますか?」と熱心である。
ここは、観光ルートから外れているので、観光客といっても私のような個人旅行者だけのようだ。
日本人は滅多に来ないだろう。この時だって私は日本人に会わなかった。
なんだか、私の方が発音おかしいかも?という、デタラメ日本語を教え中へ・・・。
鼓楼はその昔、北京に1時間刻みで鳴らして時を知らせていた。その太鼓が置かれている。
上に登る階段の急なこと(泣)私は今朝から歩き通しで既に腰が痛かった。
それでも登るしかない!上では運良く太鼓の実演がありました。
上での客はヨーロッパ人5人と私だけ。
南に真っ直ぐ延びた道の先には‘景山公園’その小山の向こうが‘故宮’その先に‘前門’のはず。
右に見えるのは‘前海’‘後海’。私はこれから‘後海’方面に行こうと考えている。
実演の終わった係りの少女に「ねえ、あれが‘後海’なの?」と聞いてみた。
「あれは‘前海’です。その奥が‘後海’です」
ふーん、かなり大きい・・・それにしても、見下ろした町並みにマクドナルドの看板。邪魔くさい。
ホテルからここに来るまでに2軒もあった。まったく邪魔くさい。
なにがマクドナルドじゃ!北京の町並みに似合わないから!
昨日今日のアメリカに中国5000年の歴史ある北京が毒されている・・・。
ジャンクフードの赤い看板に北京が汚されるなんて許せん!断固反対!猛反対!
ところで今日はとっても寒い。
‘後海’にある骨董街に行こうと考えているが、果たして辿り着けるだろうか・・・?
‘鼓楼’売店
ハガキでも買っていこうか、と売店を覗いてみた。客は私ひとりだった・・・。
中国旅行の度、ひとつずつ集めている‘白檀’を発見。
前回2000年に来た時は見つけられなかった。樹が少ないのだろう。
今や貴重品となりつつある‘白檀’である。早速交渉開始!
「これいくらですか?」「100元」「はあ?高ーい!」「高くない、高くない・・・」
「こっちはいくらですか?(一番大きいのを指して)」「250元」「うーむ・・・」
「これがいいよ(100元の方)」と売店のおじさんは、小さいほうを勧める。
「前にそういう小さいの買ったら、匂いしなくなった。だから小さいのは要らない」
「これは、大丈夫だよ本物だから」
「(信じられない)大きい方がいい!まけて!」「いくらならいい?」「(思い切って)50元!」
「あれまー!そりゃないよー!これ本物よ!10年以上匂っているんだから!」と。
「わかった!ハガキも買うから。全部で60元!(どういう計算だ?)」「そりゃないよー、大損だよー」
「わかった、わかった!この茶器も買うから。全部で80元!(向こうの損失が大きくなっていく?)」
「あいやー、言ってくれるねえ・・・ふーむ・・・好了好了!」やったー!交渉成立!
中国での買い物には粘りがと根性が必要です。
欲しいと決めたら、じっくり時間をかけて粘る。私はこういう買い物が大好きです。
でも、値札が付けられるようになった昨今の中国で、こういった値切りの風景が消失するのも時間の問題のようです・・・。
‘鐘楼’
鼓楼のすぐ後ろが「鐘楼」である。西安の大雁塔を思わせるたたずまい。
ちなみに鼓楼の方は西安の西門を思い出させた。鼓楼と鐘楼は印象の全く違う建物である。
こちらのほうは売店もなく、1階が喫茶室になってるだけで、2階に昔の大鐘が飾ってあるだけ。
そこから、更に北を見下ろすとこれ以上高い建物はなく、低いバラックのような屋根が延々と続いていました・・・。
この風景も2008年オリンピックまでに一掃されるのかなあ・・・?
いずれ消え行く風景であることは確かです(悲)
その昔は、北京で一番高い建物が現在の天安門でした。(1994年中国に詳しく書いてます)
私は今、北の端、鐘楼にいる。「よっしゃ!北制覇!」
次にめざすは‘後海’・・・それにしても今日は寒い。
‘前海’界隈
‘後海’にある骨董街をめざし歩き始めたが、湖沿いの道に出られない。
通りすがりのお姉さんに聞いてみた。(このお姉さんウオークマンを聴いていた)
路地を抜けると出る、と教えてくれた。入ってみるとそこはタイムポケットだった。
ギリシャのプラカ地区そのもの、いやそれ以上に入り組んでいて、一度踏み込んだら最後、もう戻れない!
「えらいとこ入っちゃったよー」
でも、お姉さんの言葉を信じて進むしかない。路地は本当に狭く、庶民の生活が丸見えだった。
分かれ道だらけだったが、勘を頼りに歩いてめでたく‘前海’のほとりに出た・・・。
ここをまっすぐ湖に沿って歩く、歩く、ひたすら歩いた。寒いし、疲れた。何より広い。広すぎる!
行けども行けども湖。目的物が見える気配はない。
「もう、戻ろう・・・」と、決めて歩いていたら人力車の行列が通りかかった。
「うっわー、団体客だよ・・・」20台から30台は連なっている。ヨーロッパ人の団体さんである。
私も乗ってみたいと思うが、まだその機会はない。
湖では釣りをする人、鳥を樹のてっぺんに上げて自慢げに鳥自慢するおじさん・・・。
北京の生活がまんま見ることができる。ひとり満足し日本に帰りたくない、と思う私だった・・・。
太極拳の像を発見!「誰?」像になってるくらいだから有名人なんじゃないの?
像の人物については不明のまま(北京の太極拳してる人にも聞いてみたが知らなかった)ですが、
太極拳のCDの表紙にも使われている像だった・・・いったい、おじさん誰?
なつかしの‘サンザシ’と、はじめての‘刀削麺’
小腹がすいてきた、サンザシの串刺し発見。
「懐かしいなあ・・・」
1994年に初めて中国にきた時、万里の長城でサンザシ(その当時は名前を知らなかったが)の干物を買って食べて、
添乗員さんに「変なもの食べないでよ!」と、どやされたことがある。
サンザシは健康食品として、よく食べられている。干物にしたり、砂糖を加えてお菓子にしたり、
実のまま串に刺して飴をかけたり、といろんなバリエーションで見かける自然食品である。
りんごを小さくしたような実で、甘酸っぱい。
「どれ、串刺しバージョンを食べてみっか」と、試してみたがこれが不味いのなんのって!
‘前海’にボッチャン棄てた。
私はB級、いやC級グルメである。美味しいものは大好き!
でも、日本で食べられるような高級中華には全く興味がないときてる。
今回の食のテーマは、麺!その中でも、刀削麺(とうしょうめん)が食べてみたかったのだ。
普通の食堂よりは麺専門店なら、確実にありそうだ。折りよく通りがかりに‘杭州麺’店があった。
外にメニューが出ていました。
「あったー(喜!)」
天井の低い、小さな店で、二部屋に仕切られていている。片方はテレビがあって賑やかだ。
昼時を過ぎているのに小さな店内は満員だった。お店の兄ちゃんが「相席だけどいいかい?」という。
「かまわないですよ」と、学生さん風の青年の前に座らされた。
「(・・・なんか、緊張する)」と、固まっていた。そこへ刀削麺登場!
青年と向かい合って、緊張しながら麺を食べる。
「(これが刀削麺かあ・・・)」平たくて短い麺に五目の具がのっかって醤油味で、なかなか美味しかった。
他の料理も食べてみたかったが、刀削麺だけでも量が多すぎて、食べ残しそうだったので、やめておいた。
薬局で・・・
中国といえば漢方!
日本にはない秘薬があるのでは、と父の腰に効きそうな薬を求め薬局に寄った。
「こんにちは、腰痛の薬ください」と行くと、薬局のお姉さんは「塗るの?貼るの?飲むの?」ときた。
「あー・・・えーと・・・じゃ、塗るので!」と買ったはいいが、ホテルで箱に書いてある漢字を読んだら、
「バン・・・テ・・リン・・・?バンテリン!?これって日本製じゃないのかぁ?」
中国5000年の歴史に期待した私っていったい・・・。
別の薬局では、緑内障に効く目薬があるか尋ねてみた。
日本では緑内障治療の薬はないと聞いている・・・。進行をくい止める目薬しかないのだ。
でも、中国5000年の漢方なら、秘薬があるかもしれないではないか。
尋ねたら、中国では緑内障の事を‘青光眼’というらしい。
このことを私は知らなかったが、「眼のね、圧力が高くなるのよ」と説明したところ、
「それは青光眼といいます。薬はありません」とキッパリ言われてしまった。
中国5000年の歴史をもってきても、緑内障は治せないのか・・・。
武者修業in北京(1)(左のアンダーバーをクリックしてご覧ください)
この後、3時半に約束している太極拳のメル友に会いに行く。どんな人なんだろう?
顔も分からないでほんとに会えるんだろうか・・・?
vol.42
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