2005年北京5

3月5日(土)
5日目
「北京体育大学〜和平門〜瑠璃チャン〜前門」

 :am
特4路
崇文門から前門まで行って、特4路バスに乗り換える。
そうすれば‘体育大学’というバス停があるから北京体育大学に行けるはずだ。
今日の目的は体育大学に行くこと・・・行って念願の太極拳靴を買うことだ。
実は私、太極拳靴を持っていない。いつも運度靴や学校の上履きなどで太極拳をしている。
それが競技大会でもだ(爆)競技大会に出場する選手で、上履きで出てくる人はまずいない!
だが、太極拳靴を日本で買うとなると1万円くらいする。(「競技大会」2004年全国大会参照)
なかなか手がでなかった・・・
そんなわけで、いつかは愛する李先生の母校、北京体育大学を詣でて太極拳靴を調達しようと思っていたのでした。
いやそれ以上に、「愛する李先生の母校に行ってみた〜い♪」
愛するマイダーリン李先生が教鞭をとる大学の校内を歩き、「同じ空気が吸いたいわっ♪」
「李先生がかつて歩いた同じ土の上を歩きたい〜♪」
そんなことしてどうなるってもんじゃないんですけど・・・って、ほっといて!

ま、そんなこんなで今日は北京体育大学まで遠出することにしたのでした。
体育大学は中心地からだいぶ離れている。
まとまった時間がないとおいそれとは行けない場所にある。
いろいろ調べたが、結果、特4路しか‘体育大学’行きのバスを見つけられなかった。
特4路は前門からでないとでていない。一度前門まででて特4路に乗り換える。
特4路バスは遠くまで行くバス(国防大学行き)なので本数が少ないらしく、なかなか来なかった。
ようやくやってきたバスに乗り込み、私は座席に座って切符売ってまわる車掌さんに
「体育大学・・・」と言って1元を差し出した。バスは1元均一だと思っていたもので・・・。
しかし、車掌のお兄ちゃんは私に1元を差し出され「体育大学」と言った私の中国語が聞き取れなかったのか、
「なんだって?」と。
私は「体育大学!(ティーイーターシュエ)」と再度答えるが、
「どこだって?」と、繰り返すだけで聞き取ってくれない。
「我想去体育大学!去不去体育大学?」
車掌のお兄さんはどうしても私の‘体育大学(ティーイーターシュエ)’の発音を聞き取ってくれない。
「(どーして?どーして通じないの?)」(焦)
‘体育大学(ティーイーターシュエ)’の発音はそれほど難しいわけでもないのにまったく通じない(悲)
ショック〜!
「(体育大学が通じないなんて・・・もしや、このバスは体育大学に行かないのだろうか?)」(焦)
体育大学!(ティーイーターシュエ)」
この単純な単語を5,6回繰り返したろうか・・・
結局、車掌のお兄ちゃんもお手上げで、めんどうくさそうに紙を差し出して「書け!」と言い放った!
私の中国語もこれまでか・・・こんな程度だったのか・・・(涙)
かなりの屈辱・・・(涙)
私は差し出された紙に‘我想去体育大学’と書いた。それを見た車掌のお兄ちゃんは、
「あ〜!体育大学!行くよ♪(笑) 5元だよ!ファイブ!
ふ〜っ・・・(汗)
だから体育大学ってはじめっから言ってんだろうが!しかも発音もいっしょだし!
何がファイブだよ?!
なんで英語なんだよ?!ムカつくーっ!
車掌のお兄ちゃんは私が何の迷いもなく1元を出したものだから、1元で行く範囲の停留所だと思い込んだのだろうか?
だから発音が曖昧に聞こえて(私の発音にも難があったのだが)混乱させたのだろうか・・・?
私も1元を出さずに黙って「体育大学」とだけ告げれば、何の問題もなく「5元だ」と、
うまくいったのだろうか・・・?
それにしてもショックだった・・・‘体育大学’が通じないなんて・・・(泣)
こんな初歩的な中国語でダメだし出されるとは思いもよらなかった・・・(泣)
なんか足元をすくわれた気分だった・・・(泣)


バスは走る・・・走る・・・
スッタモンダの末、切符も買った。あとは体育大学に着くのを待つだけだ。
私は切符を買うのに簡単な中国語が通じなかった精神的ショックでグッタリして
ぼーっと窓の外を眺めていた・・・(車掌のお兄ちゃんに全身の血を吸われた感じ・・・)
バスは車掌のお兄ちゃんが停留所名を告げて乗り降りを確認する。
ヒアリングに頼るのだが、停留所に着いたらその建て看板で確認することもできる。
まあ、そうなると降りるタイミングを外すことになるので、「そろそろだな」「近くなってきたな」
と思ったら降りる準備をしていなければならない。
私の目的地、体育大学までのコースは、おととい行った西側地区方面の先にある。
阜成門の先、北京動物園、圓明園の次だ。北京体育大学は圓明園の近くにあるのだと思う。
圓明園が見えてきたら「そろそろ・・」と思えばいい。

阜成門までは見慣れた風景だ。その先は・・・?
前方になんだか凄い建物が見えてきた!
「(これはいったい・・・)」
バス停は‘展覧館’といったから日本でいう幕張メッセのような展覧会場なのだろうか・・・。
近代的で新しく広く、ひときわ目立っていた。
中心部から、かなり走っているが相変わらず渋滞してるし、人もたくさんいる。
むしろ中心部より、ぶらぶらしてる人でごったがえしてるかのようだ。
‘展覧館’付近は西直門、北京北駅界隈だった。
新しく建設されたショッピングモールと古くからのアメ横風商店街がごったになっている感じだ。
混沌としている・・・と言えば聞こえはいいが雑多な感じ。
tuzi風に言えば、「(新らしいんか、古いんか、どっちなんじゃ!
はっきりせいっ!)」てなもんで・・・(笑)
そして何するでもなくぶ〜らぶ〜らしてる人、職務尋問されそうなデカイ袋を背負った人、
イチャイチャしながら買い物を楽しんでいる若いカップル、
学生風のインテリがたくさんの本を持ち歩いていたり・・・
とにかく人、人、人・・である!

道路は車がギューギューで渋滞し、あちこちクラクションを鳴らすから大変な喧騒だ!
中心部から離れてるってのにどこもかしこも人、人、人・・・!
中国人口の懐の深さに触れた気がした。
中国は中心部からこんなに遠くに走っても、
ぎょうさん人がいる!こんなに渋滞してるなんて!

そして‘動物園’だ。
実は、私は1994年初めて中国に来た時に(その時もひとりだった)半日の自由時間に歩いて動物園に来ている。
宿泊したホテルが近かったからだった。
あの時、私の記憶では歩道橋を渡って動物園に来たと記憶している。
「(てことは、この歩道橋か?ホテルは・・・もしやあれだっけ?)」と懐かしく動物園前を通過した。(「旅行記」94年中国参照)

動物園を過ぎると、今度こそ本当に未知なる世界だ。
道路の両側は高校、大学、付属校・・・と、大学のラッシュだった。
気がついただけでも‘民族大学’‘北京理工大学’‘北京人民大学’・・・。
「(ほほう・・・この地域は大学密集地帯なんだ・・・おーっと!!)」
氏隠の母校、左手に見えますは中国の最高峰、天下の北京大学ー!
・・・と、まもなく右手に見えますは名門、清華大学ー!その先には清華付属中学。

それにしてもずいぶん長いことバスは走り続けている。
私は無事、帰ることができるんだろうか・・・不安になってきた。
もし、帰れなくてもタクシーに乗るお金なんてないよ〜・・・
所持金は350元くらいしかもってないだもん。私はだんだん怖くなってきた。
「(あまりに遠くまで来てしまった・・・)」
前門からバスに乗って1時間経とうとしている。
「(最悪この距離を歩くとしたら・・・でも帰り道覚えてないし・・・きびしいなあ・・・)」
まだ目的地の体育大学に着いてもいないのに、帰りの事を考えると不安でたまらない。
「(知らない土地で、こんなに遠くまで来てしまった・・・どーしよー・・・)」
友人にも‘くれぐれも冒険は慎むように’と言われてきたじゃないか。
「(もう1時間も走ってるよ・・・体育大学はまだまだ遠いのだろうか・・・?)」


大学はどこじゃ?
戦々恐々とした思いでバスに乗ること1時間。
大学密集地帯を抜けて、ようやく道路もすいてきた。そして‘圓明園’前を通過。
「(おっ!・・・ここが圓明園か・・・てことは次あたりが体育大学か?)」
ここまで来ると、建物も途切れ途切れになってきて緑が多く、歩いている人もいなくなった。
ガソリンスタンドの前で突然バスは止まった。
車掌のお兄ちゃんが「体育大学だよ、降りないのか?」と言ってる。
「(え?ここが?)降ります!と言って慌てて降りた。

降りたはいいが、どこが体育大学なんだ?大学らしき建物なんて見当たらないんですけど・・・?
バス停の横はガソリンスタンドで・・・向い側にも大学らしき建物はありません。
ただ、道路の向い側にスポーツ用品店があった。帰りにでも覗いてみよう、と思った。
それよりも大学を探さねば!とりあえず歩いた。
200mくらい歩いたところに 「!!」
んふふふふふ・・・・・(笑)
ありましたよ〜ん♪
我が愛する李先生の母校。北京体育大学の門が!
その門は少しだけ開けられており警備員が常駐していて、厳重に出入りを見張っている。
私は写真を撮りたかったが、よそ者と思われてはイカンと、とっさの判断でガマンしたのでした。
だって、これから侵入するんですから!だって、はるばる来たんですもの。
このまま黙って帰るなんてできませんて!
それにしても心臓がバクバクですって!
「(私はここの学生です♪)」って顔しなきゃ!
これって氏隠の職場に突撃訪問と比べものにならないほどメチャッメチャ緊張するんですけど!
もし、学生証の提示を要求されたらどーしましょう?
どこ行くんだ?とか聞かれでもしたらどーしましょう?

おっ!なんか警備の人にものを訊ねている人がいるぞ!
今だっ!
今のうちに通過してやれっ!
私は悠然と、しかし内心は心臓バクバクもので門を通過した。
なんだか他国の大使館に駆け込み亡命でもする人の心境です・・・(笑)
警備に押さえ込まれたら最後!
走り去りたいのを押さえてふつうに・・・ふつうに・・・後ろを振り返らずズンズン歩いた。
右手右足、左手左足でロボット歩きしていたかもしれません・・・(笑)
ふ〜・・・ここまでくれば大丈夫・・・侵入成功ー♪

 無事(?)侵入した北京体育大学の構内


李先生を追って・・・
広いですよ。はい。
私が詣でたいのは、マイダーリン李先生が練習したであろう体育館なのですが、
当然ながら構内には体育館が3つも4つもあるではないですか。
でも、その中でも北京体育大学出版社の横にある体育館は、一番それっぽかったので覗いてみることにしたのです。
さすがに中に入ってみる勇気はありませんでしたし、練習中なら失礼かと思い、外側を一周することに。
デッキに上がると、武術の稽古をしてる数人の学生にさっそく遭遇した。
「(李先生もこうして励んだのだろうな・・・)」


手前の四角い建物が北京体育大学出版社。
愛する李先生もここから数々のVCDや著書本を出版しているのよん♪



階段の上部では基本功する学生もいた。
マイダーリンもかつてはここで学び、そして将来は教鞭を取るんだわ♪



正門入ってすぐの毛沢東像。学生が雑巾を手に清掃活動に励んでいた・・・
私の李先生はまじめなお人だから学生のころはこうして清掃したのでしょうねぇ・・・♪


ま、こうして、愛する李先生の足跡をあれこれ辿ってみたのだけれど・・・
残念なことに閑散とした構内をひとりで歩いただけでは、いまいちダーリンの面影は感じられませんでした・・・。
やっぱりさあ!李先生とふたり並んで歩かないことにはね〜!(←勝手に言ってろ!)
てか、それだったら何もここ体育大学じゃなくていいんだけどさ・・・(笑)

よっしゃー!北京体育大学詣も終わった!
李先生が隣りにいなきゃ、ただ歩いても意味ないってこともよーっく分かった!
ほんじゃ、太極拳靴を買いに行こう!
私は大学内の購買部で購入したいと考えていたが、それがどこにあるのか皆目見当がつかない。
バス停前で見かけたスポーツ用品店に戻ろうと歩いていたら、柵の向こうに、
これまた別のスポーツ用品店が並んでいるのを発見!
「(あれが大学の購買部なのかなあ?)」と思ったがそうではなかった。
そのお店群も大学の敷地外にあったのでした。
私は入ってきた門とはまた別の門(たぶんこっちが正門)から出て、そのスポーツ用品店に向った。


おやじが言うことにゃ。
店内に入ってすぐの棚に太極拳靴が並んでいた。
種類も豊富だ。日本で売られているおなじみのタイプもあるし、通信販売で見たタイプもあるし、
初めて見るデザインもある。迷ってしまう・・・
手にとってみたりして、2種類に絞った。ひとつは日本で売ってるタイプ(仮に日本仕様と呼びます)。
もうひとつは一度も見たことないタイプ(仮に中国仕様と呼びます)。
店員のお姉さんに「試着してもいいですか?22.5なんですが」と出してもらった。
「(おおーっ!)」
私は生まれて初めて履いた太極拳靴の感触に感動してしまった!
私が持ってる運動靴などは何足集めても敵わないような履き心地だ!
「(こんなに履き心地が違うものなんだ・・・)」
「どうですか?」
ピッタシです!(嬉)こっちのタイプも履いてみたいのですが・・・」
「(おおーっ!こっちも捨てがたい!)」
値段を聞いてみると、日本仕様は中国仕様より少しだけ高かった。
「どっちが良い品物ですか?」
「同じです」
そっか・・・あとはデザイン(模様)の‘好み’ってことね。
私は何度か履いたり脱いだりして悩んだが、結局安いほうの中国仕様を買うことにした。
このタイプの太極拳靴を履いている日本人はまずいないだろうて・・・。

私は自分の太極拳靴と友人にお土産にしようと、もう一足購入した。
店内を見回すと武器物がズラリ!
「(わー♪すごいたくさんの種類ー!欲っしい〜)」
楊式刀の磁気なしタイプが欲しかったが、所持金が残り少なかった。
もっと両替してくるんだったなあ・・・。
太極拳靴を2足買って、残金100元ほど・・・買えないっ(涙)
店員のお姉さんは「VCDもありますよ」と奥に案内してくれた。
脇には太極扇が並んでいた!
「(わー♪すごいたくさんの種類ー!本物だよ〜)」
私が横浜の中華街で買ったのとはわけが違う!
開いてみた!バチッ!とキマった!
「(欲っしい〜・・・よだれ)」
表演服もある!
「(わー♪すごいたくさんの種類ー!色も豊富だよ〜)」
「いかがですか?」
「私は競技用の・・・えっと、ファスナーの表演服が欲しいのですが」
「それは注文になります」
そんな話しをしていると、ひとりのオヤジが寄ってきて、注文で3日ほどで仕上がると言う。
「留学生か?」
「いいえ」
「どこに住んでいるんだ?」
仕上がったら届けてくれると言う。私が北京に住んでいるものと思ったらしい。
「あさっての朝、日本に帰るんです」
急げば今日と明日で仕上げられるかもしれないと言っている。
「ホテルはどこだ?」
「崇文門(チョウウェンモン)です」
チョウウェンモン?チョウウェンモンだって?
あんた、チョウウェンモンからきたのか?
「はい、チョウウェンモンです」
「だめだこりゃ、遠すぎるよ!」
やっぱりね。届けてくれるったってチョウウェンモンじゃ、1時間以上かかりますからー。残念ー!

このオヤジさん、実はここの店主だった。
親切に色見本とカタログと名刺と・・・注文の際の送料やなんかを説明してくれた。
「日本に帰ったら体のサイズをファックスくれればいいよ」と。
結局、「お願いします」と調子いいこと言ってあれこれもらってきたのに、注文してない。
連絡もしてない。オヤジさんごめんなちゃい・・・

私はバチッ!とキマる太極扇も購入し、お店を出た。
出て、歩きながら自分の財布の中の残金を数えてみる・・・
「えっと・・・ん?70元?・・・う〜、もっと持ってくるべきだったなあ・・・」(※70元は約1,000円)
そうだ!友人に買った太極拳靴のサイズが合わなかった、ってことになったら、この散財が無駄になってしまう。
私はバス停近くまで歩いてきていたが返品しようと(所持金を増やそうとして)
またお店に戻った。
「こんちはー。(恥を忍んでまた戻ってきました・・・)」
「あのう、この靴なんですが、私のじゃないのでサイズが合わないと履けなくなってしまいます。
申し訳ないのですが返品してもいいですか?」
オヤジは「ああ、いいよ」と引き受けてくれた。
「ごめんなさい」
「なーに、かまわないさ(笑)」

この道一筋の商売人のことだ。
‘こいつ、金持ってないな・・’ってことぐらいお見通しだったに違いない!
結局、私は遠路はるばるやってきて太極拳靴と太極扇を買っただけ。
てか、所持金が少なすぎました・・・。
あ〜、バカバカ・・・情けないったらありゃしない・・・(涙)




3月5日(土)
5日目
「北京体育大学〜和平門〜瑠璃チャン〜前門」

 :pm
バス停で・・・
私がスポーツ用品店をあとにしたのは、ちょうど正午だった。
戻って昼ごはんにしようと思う。が、案の定、帰りの特4路バスはなかなか来ない。
もともと本数が少ないのだ。・・・ひたすら待つしかない。
すると、私に「北京大学に行きますか?」と声をかけた青年がいた。
彼も特4路バスを待っているのだろう。
でもなかなか来ないので、タクシーで北京大学に行こうと考えたのかもしれない・・・。
「いいえ、行きません」と答えるとスーッ・・・、と離れていってしまった。なんだったの??
その1、私が北京大学に通う秀才顔にみえたのでタクシー割り勘しようと考えた。
その2、実はナンパで、ただ声をかけるきっかけとして北京大学の名を使った。
その3、声をかける相手を間違えた・・・(笑)

ひたすら待っていたら、目の前を馬車隊が!荷台にはレンガ。
そうです。お馬さんが働いています!
よもや2005年の北京で現役バリバリに働くお馬さんが
見れるとは思いもしませんでした!(嬉)
6頭ほどの馬車隊は、レンガを下ろして目の前を戻っていきました・・・。
また往復を繰り返しレンガを運ぶのでしょう。
中心部では決して見られない光景となってしまっただけに、そのお馬隊の壮観な眺めに
感動もひとしおのtuziだったのでした!

 こうした光景は見られなくなりました・・・
でも、郊外にくればまだ現役で働く馬隊の姿が見られるのですね♪


瑠璃チャンから逆走してみました
帰りのバスはけっこう混んでいて、それでも私は車掌のお姉さんに促されて運良く座れたのですが、
隣のイケ面ビジネスマンが気になって、ソワソワの1時間だった・・・(笑)
前門までの切符を買ったのですが、瑠璃チャンに寄ろうと思い立ち、途中の和平門で降りた。

 バス停 「晴れてるけど今日もちゃんむいっ!


この停留所のように、止まるバスが路線番号ごとに停留所名が全部書いてあります。
このような看板が‘和平門’の場合、4,5本立っているのです。
自分の目的地を探し出し、その路線番号のバスがきたら、すばやく乗るべし!

瑠璃チャンに寄るのもいいが、所持金が乏しかった。
私は‘来董閣’という書道用品店で書道の本を3冊ほど買って、骨董市をぶらぶら・・・。
今日は土曜日なので前に来た時より賑わっている。2日に来た時と違う通りを歩いてみることに。
店を構えている骨董店もあるが私が見たのは露店で、骨董というよりがらくた市だった。
これといって欲しいと思うものはないが、眺めているだけでもけっこう楽しかった。
時間を忘れてしまいます・・・。
本物か偽物か分からないが玉(ぎょく)などはさすがに素晴らしかった。
お金があったら、買っていたかもしれない・・・。

 瑠璃チャン骨董街。「見るだけ〜」


ところで、、、
前に来た時、微妙に斜めの胡同路地にだまされて、危うくとんでもない所に出そうになったことがある。
いや、尋ねる人がいなかったら抜け出せなかったかもしれない・・・。
だ・か・ら♪
今日は瑠璃チャンから大柵欄に向って歩こうと思います!
逆走すれば、大柵欄のどこに出るかはっきりするじゃありませんか!我ながら冴えてます。

瑠璃チャン街の角を曲がると、ものの見事に店が途切れ、胡同に入った。
迷路への入り口・・・レベル3胡同へ挑む!
※tuzi語「レベル3胡同」とは、
道が折れ曲がっていて蜘蛛の巣状に横道が張り巡らされている胡同をさす。
また、方向感覚が麻痺してしまうほど、金太郎飴のような家がどこまでも並んでいる地区をさす・・・)

「(この先はいったいどこへつながっているのか・・・?)」
とにかく道なりにまっすぐ、まっすぐ・・・っていっても90度?60度?カーブがあるんですけど・・・。
樹海のような胡同に入り込んで、「(もう、ここまで来たらバックもできないな・・・)」
という所まで進んだら、それまでは単調な住まいだったのに、いつのまにか胡同の商店街が始まっていた。
「(いつのまにか・・・)」という始まり方するところが胡同の面白いところである。
いつのまにか入り込んでいた・・・とか、気がついたら胡同だった・・・とか。
いつのまにか迷っていた・・・気がついたら戻れなくなっていた・・・
気がついたら路地になっていた・・・そして歩いているのは私だけになっていた・・・
辺りが妙に静まりかえっていたら、そこが胡同なのだ・・・。

胡同って、生活の場であるはずなのに、不思議なことにシーン・・・と静まりかえってるんですよ。
人にもほとんど出会わないし、「(ここに本当に人が住んでるんだろうか?)」って思うくらいなんです。
そりゃ、時には練炭をつけたリヤカーが通ったりしますけど(北京の冬の風景)
狭い路地を歩いてるのは、私だけ、って感じなんです・・・。
そんな、シーン・・・とした所から、チラホラ人が見られるようになったのを商店街と言ってるだけで、
実は商店街といっても住まいの前にタバコを並べていたり、石鹸や箒などの生活用品があったり・・・
並べてあるだけで人がいなくて、やっぱりシーン・・としてるんですがね(笑)
でもこれがけっこう面白かった。
そんな中、私は見つけてしまっただよ!!あ〜、見つけてしまっただよー!!
「!!」
こ、こ、これはもしや澄甫靴!!
おおーっ!これはまぎれもなく澄甫靴じゃー
※tuzi語「澄甫靴」とは楊式太極拳の祖、楊澄甫が履いていたような、
古典的(古くさい)刺し子の太極拳靴をさす。私も持ってはいるが女性用でバンドがあるタイプ・・・)

 ←これが実物の写真です


私はどちらかと言えば、体育大学で購入した太極拳靴より、刺し子の澄甫靴のほうが好きで、
私は澄甫靴に吸い寄せられるように、いつのまにか靴を手にしていたのでした・・・(笑)

この澄甫靴は私が欲しいところではあったが、私の足に合うサイズがなかったため、
さっき、体育大学で返品してしまった靴の友人にお土産にしようと購入してきた。
ところが!その友人には少々小さかった・・・
えーっ!?せっかくの澄甫靴があ・・・」(泣)
かといって私には大きすぎて履けないし・・・(泣)


お腹がペコペコです・・・
何時だろう?お腹がペコペコです。
とにかく、胡同を大柵欄方面に進んだ・・・進んでいると思う・・・進んでいるはずだ・・・
「!!」
ん?あれはなんだ?
突如現れた楼閣は前門か、箭楼か・・・どっちだ?
楼閣が見えてきたということは、目指す出口も近いということ。
そして、商店街から金太郎飴の住宅街がつづいていたが、いつのまにか食堂街に・・・。
私は、胡同内の食堂に入った。メニューをもらったがやはり分からない。
分からない時は「炒麺下さい」。これだ。
4,5人の仲間同士で飲み会してるお客さんたちが鍋を食べていた。
私は炒麺だけを黙々と食べ、食べきれなかった分を持ち帰りにした。とりあえずお腹は膨れた。

さてと、まだ工程は残っている。
さっきまで見えていた楼閣が見えなくなっている。角度が変わって建物の陰になったのだろう。
出口はもうすぐだ。いったいどこに出るのだろう?楽しみになってきた・・・。


ここでしたか!
ゴールです。
さっき見えてた楼閣は箭楼でした。箭楼の横面だったのです。
そして、どこにゴールしたかと申しますと・・・箭楼前ロータリーの1本目の路地でしたー!
いやあ、ゴールするまでまったく分かりませんでしたよ。
ゴールしても「あれ?ここどこ?」って感じで。てっきり大柵欄のどっかに出ると思ってましたから。
逆走して分かったことですが、これでは大柵欄から瑠璃チャンに向ったのでは、かなり戻らねばならないわけです。
・・・そういうことだったのです。(納得)

ゴールした前門はすごい人でした。今日は土曜日で週末ですもんね。
明日はもっとすごい人出になることと思います。せっかくなので少しだけ買い物して行こううかと・・・。
こないだきた時よりもお買い得になってると思うんですけどぉ!
「!!」
あーっ!お、お、お菓子が!
うっわー、王府井の東安市場の4分の1のお値段です・・・(涙)
あーっ!こ、こ、小物が!王府井の半値です・・・(涙)
王府井から高値で買ってしまって愕然としてる中、面白いもの見っけ〜。
‘ギョウザパッタン’(※tuzi命名「ギョウザパッタン」とは、
プラスチック製のギョウザパッタンの上にギョウザの皮を置いて具をのせたら、パッタンとするだけで、
ギザギザがついてとじられるおもしろ料理器具のこと)
それと、ナイキのウインドブレーカ(もちろん偽物)が日本円にして190円くらいで売っていた。
ほんっとに欲しくて、しばらく店先で買おうか買うまいか悩んだ末にやめた。
だって、ウインドブレーカ持ってるんだもん・・・。

このように、前門は‘B級お買い物天国’です♪
物によっては、高い王府井で購入するより、お買い得も掘り出し物もあるのが前門です。
でもね、見た目が同じでも食品などは質がまるで違うんです。
ですから少々高くても王府井の品物をお薦めします。お土産にするならなおさらのこと。
人様にだしても間違いありませんから。


悩みのタネ
前門でB級お買い物を楽しんでからバスでホテルに帰った。
早いもので明日が北京滞在最後の一日になってしまった。
連日、持ちきれないほど買い物してても、まだ大事な買い物をしていなかった!
毎度、毎度、頭を悩まされ、最後の最後になって調達することになる、その買い物とは・・・、
母へのお土産である!!
私がひとりで旅行に出かけるといっては、娘がひもじい思いをしないよう、おにぎりを持たせ、寒いところだと聞けば、
娘が寒さで凍えないように、ホッカイロをたんまり持たせ、いつも餞別を欠かさない母である。
その母へのお土産を考えるのが、毎回の事ながら悩みのタネなのである。
母は‘物持ち’なので、これといってお土産になるようなものが見つけられないのである。
アクセサリーもたくさん持ってるし、衣服もたくさん持ってるし・・・何がいいのか分からない。
ちょっとした安物のバックや、アクセサリーの類は買ったけど、そんなオモチャのような物では
母へのお土産にはならないし・・・。
ドカーンと一発!メインとなる高価な品がないことには・・・。

3日目の夜、ノボテル夫妻が「ホテルの近くに大型ショッピングセンターがある」と言っていたっけ。
まだ、時間も早いのでそこに行ってみようかと思う。
「(何か見つかるかもしれない)」そう期待して、一度部屋に荷物を置いて出かけた・・・。

週末の‘新世界中心’という大型ショッピングモールは若者達でいっぱいだった。
マクドナルドなどは座るところもないくらい・・・。
私はアクセサリー売り場から丹念に見ていくことにした。母に焦点をあてて!
いやあ・・・高いっす!とんでもなく高いっす!買えませんて・・・。
ショーウインドウを覗き込んでため息をつく私の隣には若いカップル。
彼氏に指輪を買ってもらうってか!?な〜んか、楽しそうに話してます。
レジにはマダムが100元札を束にして支払いしてますから!
「(なんかさあ・・・私、場違いなんじゃないのお?)」って気分です。
・・・めげずに2階へ。
2階は衣料品売り場です。中国柄のコートがお手ごろでした。
私の所持金でも買えそうだったのですが、「(モロ中華柄では母が気に入らないかも・・・)」
そう思ってパスした。
3階はスポーツ用品売り場だった。
「(水着が!ビキニが!ハイレグが!・・・しっかし派手な色づかいよのお・・・)」
ここ‘新世界中心’は総じて若者向きのショッピングモールって感じだったのでした。
母が好みそうな品は見つけられそうにありません。
結局、母へのお土産調達はあす最終日に持ち越し!
明日の買い物は、何を置いてもまずは母のお土産だっ!
最後の最後に大仕事を残しちゃったよ・・・。

大仕事といえば、今日中に片付けたい仕事がある。
荷物の整理だ!これがけっこう大仕事なのだ。カバンに入りきればいいのだが・・・。
剣などは梱包し直さなきゃいけないし・・・
帰ったら、すぐ風呂に入って、持ち帰った炒麺で夕飯にしたら、テレビの京劇でも見ながら始めよう!
そう思って今日までに買ったお土産の山をドサドサッ・・・と、ベッドに広げたその時!
ピンポーン!
「(だれじゃい?)」

 質素な夕飯。
持ち帰りの炒麺と、きのうおばちゃんにポケットに流し込まれたナッツ
(昨日からポケットに入れっぱなしだった)


ガチャ。
出てみると、また隣りの部屋の女性だった。
「(げっ。またかよ?・・・う〜、長くなりそう・・・)」
「こんばんは、今日は早かったんですね」
「え、ええ」(昨晩も張り込まれてたのかよ?!)
「在室してるとランプがつくから分かるのよ、ほら♪」
そんなこと、どーだっていんですけど!用件はなんだよ?
「私、明日の朝帰るんです。それで、もしよかったらもらって欲しいと思って・・・」
彼女が差し出したのはレターセットやチョコレートだった。
「でも、いただいては申し訳ないので・・・」と言ってみたが、「捨てるだけなので」と。
それならば、とありがたく頂戴することにした。
・・・と、ここからが長かった。広げてしまった私の荷物はベッドの上で待機・・・
「すいません。私、いま荷物広げちゃって、散らかってまして・・・」
「あら、いいのよ。部屋には入らないから。ここで失礼するわ♪」と言って長々話す彼女。
私、立ってるの疲れました〜
立ちくらみしてきました〜
片道1時間の遠出をしてきたんです〜
これから荷物と格闘しなきゃなんないんです〜

彼女の話しの内容は、例の謎の中国人が出てくる夢の話しからはじまり、
その李さんなる人が故宮に実在していたことが判明したこと。
その出会いが運命を感じさせたこと・・・などなど。
その後、話しが急に現実的になって、これまでの男性遍歴のことに・・・
なんで、私は延々、この人の話しに付き合ってるんだ??

私はすっかり湯冷めしてしまい、疲れで眠くなってきた。
あくびをかみ殺しながら聞いていた。いや、聞いてる振りをしていたが、このままでは際限ないと思い、
「明日、朝が早いんじゃないんですか?」と促すと、
彼女は「気が向いたらお手紙頂戴ね」と、私に住所を書いたメモを渡して、やっと帰ってくれた。
げっ!記録達成!1時間も付き合っちまっただよ・・・(泣)

うえ〜ん・・・
私、めちゃめちゃ眠いけどベッドにお土産広げてしまって、この荷物片付けないことには寝れないんですけどー!(泣)

私は一刻も早く寝たいので一心不乱に片付け始めた。
ふ〜・・・なんとかカバンに詰め込むことができた。
やっと片付いたよ〜
・・・ぎょっ!
うわ〜ん、12時過ぎてるよお・・・(泣)



6日目



本日のお買い物
体育大学 太極拳靴・太極扇
瑠璃チャン 書道の本3冊
胡同 澄甫靴
前門 お菓子4箱・小物あれこれ7個・七宝焼きの小物
ギョウザパッタン・急須・おしゃれ靴
見学 特4路バス、5元×2回
バス、1元×2回
食事 昼食兼夕食5元