2005年北京2

3月2日(水)
2日目
「団結湖〜前門〜大柵欄〜瑠璃チャン」

 :am
43番を追え!
今日は2002年にご飯をご馳走になった、おばさんのところに行こう。
日本からお礼の手紙は出したが、返事が来ないので直接会ってお礼も言いたいし、
少しばかりだがお土産も持ってきてるので渡したい。
自宅にも行ったが連れて行かれるままあとをついて行っただけなので、行き方が分からない。
午前中に団結湖公園に行けば、太極拳をしてると思うし、いなくても顔見知りに会えば、何か手がかりはつかめるだろう。

団結湖公園はホテルから遠い。きのう見つけたバス停からバスに乗った。

乗る前にバス停で何個目か見ておくべきだった!
しばらく走ると藍島デパート前を通り、人工体育館前まできた。
「ふむ、そろそろだな・・・」
細い道に折れた時、見覚えのある団結湖路と勘違いした私はとっさの判断でバスを降りてしまった!
しかし、そこは団結湖路ではなく朝陽医院前だった。
「あれ?団結湖路じゃなかった・・・」
それでも、人工体育館を過ぎているから団結湖は近いだろうと私は勝手に思い込んでいた。
近くを通りかかったおばさんに聞いてみる。
「団結湖公園へはどう行きますか?」
「団結湖公園?さあ、知らないわねえ。あ、ほらあの43番バスに乗れば行けるわよ
えー!?てことは、ここから遠いってことなのね・・・。
たった今降りたバスが目の前を発車していく。ガーン!
ここで次のバスを待ってるのも時間の無駄だ。私は43番バスを走って追いかけた!
南三里屯路から白家荘路に43番バスは曲がっていった・・・ゼエゼエ・・・
後ろから43番バスが迫っていた・・・乗ってやるう・・・
バカなことをしたものだ。ちゃんと車掌さんの言うのを聞いていれば、こんな無駄なことすることもなかったに!
目だけの判断で、耳をおろそかにしてしまった報いだ。
いかんなあ・・・ゼエゼエ・・・
私はまたも43番バスに乗り、今度はちゃんと団結湖で降りた。
たしかに降りたが、「ここは団結湖路ではない」
またも通りかかりのお兄さんに聞いた。
「団結湖公園に行きたいのですが、どういけばいいですか?」
「あそこを左に曲がってまっすぐ行けば着くよ」
「ありがとう」
もう、こんなことしてる間に10時になろうとしている・・・
左に折れて、今度こそ団結湖路のはずなのに見覚えがないんですけど!
それにこんなに遠かったっけ?私はまたも通りがかりのおばさんに聞いた。
「団結湖公園に行きたいのですが・・・」
「ここをまっすぐ行けば公園の東口が右に見えてくるわよ。
南口に行きたいならぐるっと回らないとね」
「そうですか、わかりました。ありがとうございます」
いつもどっちから入ってたんだっけなあ・・・?
中国の公園はやたら広いので、入り口が違うとまったく分からない風景に出会うことになる。
やっと東口に着いた。
外国人は有料だ。早く入りたいのに定期券を購入のおばちゃんがいて、しばし待たされる。
やっと公園に入ったのは10時30分頃だった。
馬先生の太極拳ポイントはすぐに見つけられた。
しかーし、馬先生の姿もないし、太極拳してる人もいない・・・。
「あちゃー、練習終わっちゃったのかな?」
剣らしきをしまっているおばさんに聞いてみる。
「あの、馬先生に太極拳を習ってる方ではありませんか?」
「違います」
「そうですか・・・いつも、ここで太極拳をしている人たちを知りませんか?」
「さあ・・・?」
困ったなあ。苦労してここまで来て収穫なしで、おみやげも渡せず空戻りするのはしゃくにさわる。
みると下勢の姿勢で準備体操している女性がいた。
顔はよく見えないがもしや太極拳してる人かもしれない。聞いてみよう!
「こんにちは。あの、馬先生に太極拳を習ってる方ではありませんか?」
「ん?」
顔をあげたその女性はまさしく馬先生に習ってる人だった!
てか、2002年には一緒に推手したし!名前は知らないけど顔見知りだし!
「あー、tuzi!」
「はい、はい、私です!」
よかった・・・。
私はおばさんに持ってきたおみやげのひとつをお姉さんにあげた。
「今日は馬先生は帰られたんですか?」
「先生は25日まで日本に教えに行ってるのよ」
「東京ですか?」
「ええ、団体の名前忘れちゃった・・・とにかく2人に教えるんですって」
「たった2人のために日本へ行ったんですか?」
「そうよ。時々行ってるのよ」
ふーん。その日本人は贅沢だなあ・・・
「ところで、いつまで北京にいるの?」
「6日までです。7日の朝帰ります。
今日は2002年に、お世話になったおばさんにも会いたいと思いましてね」
「彼女は今日は来ないわよ。明日なら来るけど」
「明日は来るんですね?だったらこれを渡していただきたいのですが」
私はお土産をお姉さんに預け、お礼をことづけた。
お姉さんは「だったら電話させるから連絡先を教えておいて」と言うのでホテルの部屋を教えておいた。


できるお姉さんはひとりまじめに自主トレなのだ!
私が2002年訪れた時、このお姉さんの太極拳があまりにすんばらしかったので、
「太極拳を始めて何年になりますか?」と聞いたら「半年」と答えた。
私は自分の耳を疑い、何度も聞き返したがお姉さんは笑って「は・ん・と・し。6・ヶ・月♪」と言った。
お姉さんはとても半年にはみえない動きをしていた。(推手では私が勝ったけどね♪)
あれから3年。お姉さんの太極拳は更に磨きがかかっているに違いない!
馬先生が留守でもこうしてひとり自主トレしているではないか。柔軟体操だって念入りだったし・・・。
「さらにさらにお上手になってることでしょうね。どうぞやって見せてください」とお願いした。
「えー、私がぁ?あなたやって見せてよ」
「私はいま(太極拳を)お休みしてるんです」
「なんで?」
「脚痛めたから・・・」と状況を爆笑再現してみせる(笑)

そんなことより、お姉さんの太極拳は味がでて、いかにも独自の世界観ができておったのでした。

 団結胡は一面氷なのだ。今日も寒いよ〜(ぶるっ)


「では、私はそろそろ行きます。前門まで行きたいのですが、バス停はご存知ですか?」
「前門なら9番ね。9番は・・・東口を出てまっすぐ行って大きな通りを左に折れて、また大きな通りを右に行くのよ!」
「左に曲がって、右に曲がる」
「そう!9番よ」
「それでは、馬先生はじめ皆さんにもよろしく!」
「私にまでおみやげありがとう。おばさんから電話させるからねー!」


9番を探せ!
私はお姉さんに教えられたとおり、朝陽北路を左に、ひとつめを右に金台西路に入った。
バス停はちゃんと見つかったが、公園から遠かった。
やれやれ・・・今日も午前中からかなり歩いてバテぎみである。

バスに乗って車窓を眺めていると、おばさんと乗ったバス停らしき・・・おばさんの家の近くを通った。
バスは朝陽路から朝陽門街から建国門街に入り、北京駅街を走った。
これらは幹線道路で建国門街と崇文門街は城壁を壊して作られた環状2号線である。
だだっ広い道路なのに渋滞!どこに行っても渋滞!それだけ、車が増えたということだ。
「ひとり自転車一台」から「ひとり車一台」へと移行し始めているとしたら恐ろしいことだ・・・。
中国はどこに行っても人がたくさんいる!
この人たちが自家用車を持つようになったら、渋滞だけでは済まされない。
エネルギー資源はいくらあっても間に合わなくなるし、今でさえ深刻な大気汚染は免れない。

私は今回バスに何度となく乗ったが、いつも満員!だった。
立ってるのは当たり前!押しつぶされて立ってるのも怪しい時だって何度もあった。
降りるときも「降りまーす!」と言いながら人をかき分け、かき分け・・・。
目的のバス停が近づいてきたら移動を始めてないと降りそびれてしまう。
とにかく中国は人がたくさんいるのだ!
聞くところによれば全世界の5人にひとりが中国人という半端じゃない多さだ!
新聞には中国の電力量は既に不足気味、とあった・・・

話しをバスに戻そう。
私は何度となくバスに乗って移動をしたが、乗客は中国人と私だった。
何が言いたいかというと、西洋人はバスに乗らないのだ。
北京にはヨーロッパ人かアメリカ人か分からないが西洋人がぎょうさんいます。
でも、バスに乗ってるのを見たためしがないのです。
そう!西洋人はタクシーに乗って移動してるようです。
私がバスに乗っていた時、渋滞でなかなか進まない時があった。
その時、車窓から見下ろしたタクシーの中では西洋人男性が運転手にお金を渡してさっさと降りてしまったのを目撃した。
どこにいっても西洋人はいるのにバスには乗らない。乗れないのか??
私は日本人だから漢字が読める。だからバスに乗るのは簡単だ。
しかし、西洋人はそうはいかない。ローマ字ならいざ知らず、漢字は彼らにとって記号だろうから・・・。
それとも単に御高くとまっているだけなのかな?(毒)

バスが北京駅街に入ると2年前に見たあの城壁跡が見えてきた!
「(あ!これだ!)」
やはり東南城壁の一部だが、この通りからはまだ見ていない。あとで来ようと思う・・・。


おのぼりさんtuzi、前門へ登る!
前門を天安門広場から見たり、登楼するのはこれが初めてである。
やはり、この辺には故宮もあるし、毛沢東記念館もあるし、人民大会堂はあるしで、いわば中国のメッカである。
華やいだ雰囲気と中国人のおのぼりさんでてんこ盛りだ!
てか、私なんか、おのぼりさん丸出しなんですけど!(笑)
嬉しくってしょうがないんですけど!ワッハッハ!
前門西でバスを降りて、まずは天安門前のみやげ物屋を覗く。
象牙(本物か?)のパイプや象牙の櫛などが並ぶ・・・偵察だけにして、まずは前門登楼だ。
地下道から天安門広場に入る。と、そこに人だかりが・・・。
「なんだろう?」
やじ馬根性丸出しの私はツツツ・・・と寄って見た!
「(ギャー・・・)」
路上に写真。数枚の交通事故の写真。交通事故で血まみれになった裸の男性の写真。
この無残な写真を前に説明だか訴えてるだかしてるおばあさんが何やら力説してる。
「(なしてこんな写真に群がるかなあ?わけわかんないし!)」
ほんと中国の人ってわかんなくなる時あるよなあ・・・。

 だからー、なしてそんなに真剣に見入ってるんだ??


さてさて登楼、登楼っと!

天安門広場、前門と毛沢東記念館にはさまれたポイント。
その昔、前門から天安門までに遮るものなどなかった。
ところが現在は立ちはだかるようにして毛沢東記念館が立っている。(邪魔だっ!毒)
これが、共産党国家中国のシンボル的建造物と宣言したいところなのだろう。
しかも、この中に腐らない毛沢東が横たわっているのだ・・・(おらおら邪魔だ邪魔だっ!猛毒)
中国人おのぼりさんたちは前門登楼などには目もくれず、毛主席と対面したさに
吸い込まれるようにしてこの記念館に入っていく。


前門から天安門広場を見る。かわいいお子達三人がひなたぼっこ・・・
かつては前門から天安門の間にさえぎるものはなかった・・・その先、午門から鼓楼、鐘楼まで一直線をなしていた。
だが現在は唯一、毛沢東だけが邪魔をはっている(どけコラ!毒)



ここは北京の中心。おのぼりさんと言われようがなんと言われようと、
ここが一番歴史を感じるポイントだ!



前門内部から箭楼を見る。
その先は前門大街に一直線につながる・・・歴史を超える一瞬!


さて私は前門登楼を果たすべく、西チケットブースへ。(ブースは東にもあります)
「3楼まで登れますよ」と説明を受け中へ・・・。
2階へ上がったところで、皇帝の衣装を着て写真を撮ってもらってる青年発見!
私、こういうのに目がないのよね(笑)
係りのお姉さんは現像に行っていなかったので、こっそり青年に聞いてみた。
「いくらだったの?」
「20元だった」
「ふーん・・・」
そこへ声を聞きつけた係りのお姉さんが登場。
「あなたもいかが?ほらこのように仕上がりますよ」と青年の写真を見せてくれた。
「いくらですか?」
「すぐ仕上がるのは50元。あなたのカメラでなら10元」
青年と値段違うし!ま、いいや。自分のカメラで撮ってもらおうっと!

ぷぷぷ・・・笑えるう。嬉しくってしょうがありませんて。
水色の(ほんとは赤の着たかった)着物を着せられ、頭に冠?帽子?を載せられ。
でも、この冠、既婚者用ですよね・・・あっちのギラギラした未婚者用がいいのになあ・・・でもま、いいか。
パチッ。
あれ?フラッシュがつかないぞ・・・。
2枚目パチッ。
あれ?またフラッシュがつかないぞ・・・。
3枚目パチッ。
「すいません。フラッシュがつかないので電池換えます・・・また撮ってもらっていいですか?」
「じゃ、撮りますよー!」
パチッ。
「今度はこっちで」
5枚目パチッ。
ひゃっひゃっひゃっ・・・楽しいニャー。
日本の観光地だと看板の顔だけがくりぬいてあって、そこから顔だけ出して撮る、あの感じ・・・。
私、あれも大好きなのよね〜(笑)
ひとしきり、記念撮影で遊んで中へ・・・。


ほほう・・・そうだったのか・・・
内部は展示室になっていた。清代の城門の風景写真や模型が展示されている。
宣武門外の刑場風景では、実際銃殺の写真が展示されている。
わかりやすいといえば分かりやすいが、さっきの無残な交通事故写真といい、
銃殺の写真といい、残虐さの感覚が中国と日本ではギャップがあるのだろうか・・・?
他にもここで勉強になったことがたくさんあった。
まず、交易風景だ。阜成門のような西に向いた門はシルクロードからの輸入品が運び込まれた。
他にも穀物や木材、石炭などの生活物資が決まった門から運び込まれていた。
その時の運搬には使われていたのがラクダだったのだ!
馬じゃないのよ!ラクダちゃんなのよ!
この風景には唸っちゃいましたね・・・。
「そっか・・・だから万里の記念撮影はラクダちゃんだったのねえ・・・(今になって納得!)」
縦列を成すラクダ隊の見事なこと!
「そっか・・・中国の風景にラクダは当たり前だったのね・・・」
それと疑問に思っていたことも模型を見て解決した。それは、城壁と城門と箭楼の関係だ。
城門の前方には城門内を守るための箭楼が立っている。
ならば城壁はどのように回されていたのか?城門に?それとも箭楼に?
「おおーっ!にゃるほどお!」百聞は一見に如かずだ。

清代。城壁は城門間をめぐっており、主要門には攻防の為箭楼が
設置されていた。
城門と箭楼も迫り出した城壁がめぐらされていた。
その城門と箭楼の空間には常に護衛の軍が待機しており、
武器などが置かれていた。
城壁は高さ11m、幅6mほどだった。
その後、城壁は残るものの、城門と箭楼の壁は取り払われ、
鉄道が入城してきた。
前門と箭楼の間に北京駅(旧)が建設された。
この旧北京駅(たぶん復元)は現在でもその場所にあり、
商業施設になっている。
ここにセブンイレブンがあったのだ!
そして現在の姿。天安門前には長安街が延び、天安門広場を挟む両側にも
道ができた。
前門と箭楼は完全に分断され、鉄道が入城していた前門前は、
環状2号線という幹線道路となった。
地下には地下鉄2号線が走っている。
現在の北京駅は東便門近くまで移動し、鉄道もそこまで止まりとなっている。
(手書きの下手な図ですいません。お分かりいただけましたでしょうか?)

大変興味深い展示(写真や模型)ばかりで大変勉強になりましたし、とっても楽しかったです。
この日、展示をみていた客は私だけでしたが、前門に行くことがありましたら、
ぜひ登楼してみることをお薦めします!外の喧騒からみたらここは静寂の別世界です。


箭楼の後部。かつてここも城壁の内部だったのだ・・・


たまごクレープ再び
腹減ったー。
前門に来たからには‘たまごクレープ’(tuzi命名)を食べにゃ!
たまごクレープは箭楼近くのロータリーになったところで売っている。
少なくとも私はここでしか見かけたことがありません。
ロータリーから南に下ると大柵欄に行けるのだが、私が以前、感動のたまごクレープを買ったのが
前門外大街に近いところでだった。というより、そこでしか見なかったのだ。
ところが、今回はロータリー入り口付近(環状2号線に近いほう)にも見つけたのだ!
「ん?人気が出てきたのでここでも置くようになったのかにゃ?」
以前買ったお店にも行ってみたが、お兄さんが焼いていたので今回はさっき見た別のお店から買ってみることにした。
どうせ味はいっしょだろうから・・・
売り子のお嬢さんが可愛かったので、という不純な理由がいけなかったのか、もろハズシタ!!
具が芋やんかっ!不味いっス!!
立ち食いしながら、よくよく見たれば冷凍もんを温めてるだけやんか!!
コラコラ、お嬢さんっ!それは反則だって!
手作りできんのかって話しよ!もろ、失敗です・・・(泣)
たまごクレープをお求めの際はロータリー出口近く手作りのお店でどうぞ!
具の食材も違います。芋じゃないよ!tuziが体を張ってお薦めします!

箭楼をバックにたまごクレープ片手にお約束の写真撮影も済ませ、
がんばってもあまりの不味さに完食できなかった、たまごクレープを捨て、さてとお買い物タイムだ。
本日のコースは、まず大柵欄に行って、そこを経由して瑠璃チャンへ・・・




3月2日(水)
2日目
「団結湖〜前門〜大柵欄〜瑠璃チャン」

 :pm

昔とほとんど変わらない風景。箭楼前の前門大街
どんなに車が来ようが悠然と渡るのが中国流なのだ!(路上にてシャッターを切るtuzi)


大柵欄で捕まる・・・
大柵欄というより細〜い路地に小さな小さなお店がぎっしりの珠宝路が楽しい。
というのも、大柵欄街は現代ファッションのテナントばかり増えてしまい面白くない・・・。
2年前はまだ10元均一ワゴンなどがあって活気があったのだが、今やベネトン風のショップばかり。
珠宝路をぶらぶらしながらおみやげを物色・・・
寄っていって〜!見ていって〜!と通りは呼び込みの声でかなりの賑わいだ。
「ほんじゃ見るだけ〜」と思って店内に入ったとたん!「これいいでしょ?」と始まる。
「何が欲しい?」と聞かれ正直に答えたとたん、安くするから買って!としつこい。
いきなり高い値段言うから値切るのもアホらしくなって店を出ようとすると、引き止めて値を下げだす。
疲れんだよっ!ふっかけるのやめろっての!
もう少しまっとうな商売はできないのかよっ!
妥当な値段で始めてくれればいいものを、いきなり高い値段から始まるから、こっちだって値切るヤル気なくすって・・・。

露店のお店もある。
「!!」
またも剣発見!
あれこれ見せてもらってるうちに、きのう買いそびれたのと同じ‘しなり’の剣発見!
しかも今回は鞘も木製に彫り込みがある。欲しい・・・かも。
「これはいくら?」
「230元」
だめだこりゃ。話しにならん。
「ふ〜ん」
「大丈夫、安くします」
「だからいくら?」
「180元」
「ゲッ。高いじゃん。いらない」
「待って、お姉さん!いくらだったらいい?」
「・・・・・・・・・そうねえ・・・(相場なんか知らないもん)」
「ねえ、いくらだったらいい?」
「ふむ、やっぱりこっちがいいかなあ・・・こっちはいくら?」
何も無理して買うほどでもないのだから迷うふりして離れよう。
「80元」
やっぱ、しょぼい剣は安い。闇雲に値段言ってるわけではなくて物の良し悪しは知ってるようだ。
「やっぱり、いらないや・・・」
帰ろうとする私をお店の姉さんは捕まえた!
腕をぎゅっ!と。凄い力だ!
「大丈夫、大丈夫、安くするからー!!」
「こっちの剣(しなる剣)はいくらよ?」
「150元、これ以上は無理!」
「なにー?!大丈夫じゃないじゃんよ〜!高いって!」
「高くないよ〜!」
「高いんだって!いらないっ!」
「わかった、わかった。お姉さん、じゃ、扇子買って♪」
「いらないーっ!」
帰ろうとする私の腕を捕まえて放さない。どうやっても逃れられない私。もの凄い力なんです。
片手で押さえ込みして、もう片方の手で扇子やら毛沢東ライターや三国志トランプを矢のように薦めまくる・・・。
お姉さん、頼みますから放してください〜(泣)
「いらないーっ!いらないーっ!いらないーっ!
どれもいらないーっ!(泣)」
「お姉さんわかった。この剣120元!OK?」
「だから、OKじゃないからっ!(プチ怒)」
「大丈夫、120元!ねっ、ねっ♪」
「ねっ♪じゃないから!いらない!私はもう行かねばなりません」
「だめー!100元!」
「あした考えてまた来るから!」
「あしただめ!100元、いいでしょ?」
「よくない。あした必ずまた来るから!」
「80元!決まりー!」
「決まんないから!今日はもう行かなきゃないの。あした必ず来るから。約束するから!」
「70元!230元を70元にするのよ。お姉さん!」
「わかってるけど、今日は時間がないのよ」
「50元!」
そこへ青年登場。
私の見ていた剣を取ってしなり具合を確かめている。
「ほらあ、お客さんよ!」
私じゃなく、その青年が買うかもしれないじゃないの。
「どう?」
「これいくら?」
「50元だって」
「いいよ。50元は高くないよ」
「そうなの?」
「うん、物だっていいし」
「ねえ、こっちの剣とどっちがいい?」私は迷っていた剣も青年に聞いてみた。
「うん、こっちのほうがいいよ(ニヤリ)」
‘しなる’ほうが中国的なのだそうだ。なぜなら剣で喉を突くからだそうだ(笑)
「50元だったら高くないよ。だって俺が買ったパイプより安いもん」
「どれどれ・・・」
袋の中に新しいパイプ4本。360元だそうだ。1本80元。
そうなの?パイプってそんなにするものなの??
「よっしゃ、わかった!この剣買った!」
時間がない、とか、行かなきゃ、とか言いながら結局買ってしまった・・・バカだねえ。
その青年につられてパイプまで買ってしまった・・・バカじゃん。
でも新しくないからって剣とパイプで100元ちょうどにしてもらったが。
てか私、まんまと嵌められたんじゃないのかなあ・・・?
30分の攻防の末、カモtuziは買ってしまった・・・
よく考えてみれば騙されたのかも・・・
あの青年はサクラだったに違いない・・・
今思えば剣だけにしとけばよかったものを・・・
通りで腕を捕まえられ大声で喚き私は片足浮いてたし!
カッコ悪いったらありゃしない。
もう珠宝路を歩けないよ〜(恥)


カモtuziはゆく!それでもゆく!
バーバパパバックに剣を差して、カモtuziは瑠璃チャンをめざす!
本日の目的、筆を買わねば!寄り道して捕まってカモにされてる場合じゃなかった・・・(泣)
もう3時近いではないか!(焦)

大柵欄から瑠璃チャンに抜けられるはず。
未知なる道を歩き始めた・・・少し歩くと人通りはまばらになり、胡同に入り込んでいた。
‘菜市’の文字。・・・もしや、これはさっき前門の展示で見た刑場のあった場所ではないか!(怖)
いつしか人通りもなく路地を歩いているのは私だけ。それでも瑠璃チャンに着くことを信じて進む。

 菜市の文字にビビルtuzi・・・



いつのまにか人通りもまばら・・・この胡同におわりはあるのか?


ずっと一本道だったのに微妙に斜めに二股にあたった。
「(どっちかな??)」
とりあえず左に行ってみる。すると向こうから人がやってきた。ここは聞くしかない!
「お尋ねします。瑠璃チャンへはどう行きますか?」
「そこの分かれ道を右にまっすぐ行って、右に曲がれば着くよ」
私は少し戻って右の路地に入りなおした。やはり人通りはなく閑散としている。
「(ほんとにこの道でいいのだろうか。出口はあるのだろうか?)」
私は以前にもこのような袋小路に入り込んで、パニクったことがあった。
鼓楼近くの胡同だった。
今回は一本道なので、鼓楼近くの胡同よりはずいぶんわかりやすい。
が、抜けられるんだろうか。
微妙に斜めに向っているんですけど!
とんでもないところに出て「ここはどこ?私は誰?」状態になりはしないだろうか。
かなり不安になってきた。出口など見える気配もなく、このまま延々と胡同の路地を歩くはめになるのでは、と思ったその時!
路地を清掃している清掃員のおじさんがいた!聞くしかない!
「お尋ねします。瑠璃チャンへはどう行きますか?」
「あの路地を曲がってまっすぐ行けば瑠璃チャンだよ」
ほっ。瑠璃チャンに近づいてはいたんだ。私は教えられたとおり、歩いた。
しばらくすると大きな通りに出た。やっと胡同を抜け出すことができた。
しかし、そこは瑠璃チャンではなかった。「(あれ?瑠璃チャンはどっちや?)」
ホコリがもうもうとたつ交通量の激しい大通りを前にしばし立ち尽くす。
私は方角的に戻るように歩きはじめた。しばらく戻って、ようやく瑠璃チャンらしき門が見えてきた。
恐るべし微妙に斜めの胡同路地!
私は流されて瑠璃チャンを通り過ぎていたのだ・・・。


カモが剣しょってやってきた!
やっとこさ、瑠璃チャン到着。瑠璃チャンには書道用品のお店が集まっている。
まずは一軒目。私を見るなり、日本語で話しかけてきた男性店員。
「コンニチハ。ナニガホシイ?」
いかにも怪しい・・・それに人相が悪い。
「毛筆(中国語で答える)」
「ドウゾ、コチラデス」
怪しい。奥の方に通された。きっと高い筆を日本相場で売りつけるに違いない!
見るだけなら、と思い私は黙って従った。
「オオキイノ、チイサイノ、ドレガホシイ?」(日本語)
「これくらいのが欲しいです(中国語で答える)」
「コレハドウデスカ」(日本語)
うん、柔らかくてまあまあだ。
「いくらですか?(中国語で)」
「80元」(日本語)
「別のはありませんか?(中国語で)」
「コレハドウデスカ」(日本語)
おおーっ!更に柔らかくて良さそうだ。
「これはいくらですか?(中国語で)」
「150元」(日本語)
やっぱり値段もいい。でも、どうせ買うなら、せっかくだもの良いものが欲しい。
「私はこっちがいいです。まけて下さい(中国語で)」
「イクラナライイデスカ?」(日本語)
おいでなすったな・・・「ふむ・・・(思い切って)50元・・・」と言ってみる。
私は中国語で通していた。今度は向こうも中国語になった。
「チッ(←舌打ちした!)馬鹿なこと!売れないよ!」
そうまくし立てて筆をしまってしまった。
「120元だったらいいでしょう?」
「高いです」
別の筆も見せてもらったが、さっきの150元の筆の感触が最高だった。
「(買うならあれだ)」私は密かに決めていた。
「ナンボンホシイ?」(日本語)
「一本です」
「ドレガホシイ?」(日本語)
「これです」
「120元にまけてやるよ」
態度が高ビーで、どっちが客なんだか分からない・・・。
「・・・・・・・・・・」
「好了、好了、100元」
「・・・・・・・・・・(高すぎて)買えません(←かぼそい声で)」(中国語)
「まだ言ってるのかー。これは最高の筆なんだ!(怒)
80元、それが限界だー!」
「分かりました。下さい」
結局、買ってしまった。
瑠璃チャンに着いた早々、高いかどうかも分からないまま買ってしまった。
だって、ここの店、値段が付いてないんですけど!

やめときゃいいものを、「紙も欲しいのですが」恐る恐る聞いてみる。
大きさを言って見せてもらったその紙が一枚30元!
アホか!日本でだってそんなにしないよ!
日本の相場を言ったら「あんたには売らない」としまわれてしまった。
私は硯も欲しいし、朱肉も筆置きも欲しかったけど、「コレハタカイヨ」(日本語)を連発され、店を追い出されてしまった。
こいつからは儲けは見込めないと思われて締め出されてしまった、って感じです。
日本のガイドブックでおなじみの‘文房四宝堂’って
客を選ぶ、感じ悪ーーーい店です!


瑠璃チャンは骨董だけではなくて書道用品の宝庫!


明朗会計
その隣の‘載月軒’に入ってみた。
真っ先に筆コーナーに向うと、「(あら?値札が付いてるじゃん!)」
瑠璃チャンて値札がないのかと思ったらが、さっきの店でカモられただけのようだ・・・。
私はそこでも最高の筆を購入し、紙も30枚買って、小筆も調達し、少しだけまけてもらった。
実に明朗会計だった!

さて筆も買ったし、目的は果たした。残金も残りわずかだ。もっと両替して来るんだった・・・。
硯と朱肉や筆置きは王府井書店でも買えるので、今日のところは帰るとするか。
帰ろうとして、バス停に向おうとしたら、小さな店先にデカイ筆を発見。
「(高いんだろうなあ・・・)」とお店の中に声をかけたら「90元よ」と以外に安かった。
それだったら買えるな、と思い店内も見てみた。
「(端渓だ!)」
書道を志すものの憧れ、端渓の硯。小さいのでいいからひとつは欲しい♪
王府井書店では小さいものでも200元の値が付いていた。
「これはいくらですか?」
「100元です」
「だったら、筆と硯で150元にして下さい」
「う〜ん・・・私のところは最初から安くしてあるんです」
「そんなこと言わないで〜」
「・・・分かりました。では特別に」
私はカモられてみたり、こうしてあこぎに値切ってみたり・・・
それにしても中国での買い物は相場を知らないだけに、見当が付かない。
カモられていたとしても日本円にして千円ちょっとの話しだし、
最後に買った大筆と端渓の硯などは、ふたつで二千円もしない計算になる。
それを無理に値切る必要などあるのだろうか、と思ってしまう。
でも、中国の人に置き換えると大金なわけで。
現地の人はどうやって買い物してるんだろう??
知れば知るほど中国は摩訶不思議な国じゃ・・・

ダメ押しでもう一軒覗いてみた。
ここのお店も筆にちゃんと値札が付いている。
一軒目でカモられたのと同じくらいの柔らかさの筆が40元。
だったら黙って買っちまおう。と、レジに行ったら32元だった。一律2割引だったのだ。
なんかさあ、ここまでくると値段なんてあってないようなもので・・・わけわかんないっす!

結局、なんだかんだ筆が大小5本。値段と書き心地が比例するかどうか楽しみだ・・・。
(「tuzi now」2005年5月5日参照)


煎餅
日本語で‘せんべい’と書いて中国では‘ジェンピン’と読みます。
この食べ物は中国ではポピュラーなお好み焼きです。
中国ではおやつに食事代わりに、どこでも売ってます。

瑠璃チャンから和平門まで歩いて、あとはバスでホテルまで帰ってきた。
ホテルの隣はバスの始発駐車場になっていて、ちょっとした広場になっている。
そこには新聞や雑誌のスタンドもあるし、いつも煎餅(ジェンピン)の自転車も止まっていた。
今晩はジェンピンを買って夕飯にしよう!
「ひとつください」
「辛いの入れるか?」と聞かれた。初めて食べるのだからどんなものか入れてもらうことに。


ホテルの隣で営業していたジェンピン屋さん。
自転車に練炭を積んで焼いています。


 ものの1分で一丁あがり!早くて美味しい♪


部屋でお茶沸かして初めてのジェンピンを食す。
「ビンゴーーーっ♪」
美味しかったけど、私には辛かった!次回は辛いの抜きで頼もうっと!



3日目



本日のお買い物
大柵欄 剣・パイプ・時計・小物
瑠璃チャン 筆5本・全紙30枚・硯
その他 団結湖公園入園1元
見学 前門登楼10元・記念撮影10元
バス1元×4回
食事 昼食・たまごクレープ3元
夕食・煎餅2元