2005年北京1

3月1日(火)
初日
「建国門〜秀水〜日壇〜雅宝路〜王府井〜東単」

 :am
突撃隊員tuzi!
私が真っ先に行きたい場所。
それは2002年知り合った、太極拳仲間の氏隠に再会することだった。
彼らは団結湖公園で馬先生から太極拳を習っていた。
そこへ私も毎日出かけては午前中は太極拳三昧の日々を過ごした。
そのきっかけを作ってくれたのが氏隠だった。
彼は中国の太極拳サイトに登録していた私にメールをくれた。
それがきっかけで北京で待ち合わせをし、馬先生や、おばさんたちと知り合えたのだった。
今回は、氏隠の職場に行ってみようと思う。アポなし、連絡なし突撃訪問!
いつもクールな氏隠を驚かせたい!
氏隠の職場は国家機関で、建国門にあり、哈徳門飯店から歩いて行ける距離にある。
ささやかではあるが、おみやげも用意してきた。まずは建国門を目指そうと思う!

ところで、今朝カーテンを開けたら外は雪が積もっていた。どうりで寒いはずだ・・・。
ホテルを8時に出発。地図を持ってはいるが、いざ玄関を出ると、どっちに進んでよいやら・・・?
大きな交差点まで歩いて「えっと〜・・・ここはどこ?」
朝の通勤時間帯で人通りも半端ではなく、ここで地図広げるのもなんだかはばかれる。
てっとり早く、交差点で腕章をつけた指導員らしき人に聞いてみることに。
「お尋ねします。建国門へはどう行けばいいですか?」
北京滞在、中国語第一声だ!
「向こうへ200m行って左へ折れて、まっすぐ行けば建国門だよ」
「わかりました。ありがとうございます」
そっか、こっちか・・・これで地図を読む方向感覚ができた。


いきなりの・・・
ちゃんむい!(「寒い!」ということ。tuzi語)
まだマイナスのような気がする。吐く息が白い。マフラーをぐるぐる巻きにして歩く・・・。
「このマフラー持ってきてホントよかった〜・・・」
氏隠とおばさんへのおみやげを、献血でもらったピンクのバーバパパ携帯袋に入れて歩く。
このピンクのバーバパパ携帯袋は今回大活躍だった!
あちこちで買い物してもこれに放り込めばかさばらないし、中国のペランペランのビニル袋はすぐ破けたりするが、
バーバパパ袋に入れてしまえばその心配もない。大活躍だった!
それにしても北京っ子はこの寒さに慣れているのだろうか。
首を出してても寒くないのだろうか?
マフラーもなしで自転車で・・・。
崇文門東大街(大街は大通りのこと)はバス路線である。
バス停には停車するすべての停留所が表記されている。
1ヶ所のバス停に複数の路線が停車するが、目的地が表記されている番号のバスが来たら、それに乗ればいい。
とても便利だ。通りかかったバス停で団結湖の文字を見つけた。
「ああ、ここからバスが出てるんだ・・・」
氏隠におばさんへのおみやげも預けてこようと思ったが、もし氏隠に会えなかったら、
明日にでもここからバスに乗って団結湖に行けばいいな・・・。
そんなことを思いながらまたしばらく歩くと・・・。
「!!」
いきなり今回の目的の城壁が!
「え?これってもしや、北京城東南城壁?地図には曲がり角にしか表示されてないんですけど・・・」
ホテルを出て歩いて2分!城壁が延々続いてるんですけど・・・(嬉!)
「スゲー・・・そしてちゃんむい!
城壁に沿って遊歩道になっている。私は道なりに歩いて行くことにした。
どちらにせよ城壁が途切れない限り、建国門への左折もできないわけだし。
それにしても、いきなり現れたものよのお・・・!

 寒い〜っ!ほら、雪が・・・(ぶるっ)


200mどころではない城壁を左に見ながら、通りがかりの人に写真を撮ってもらったりして歩く。
ゲートと角楼が見えてきた。このゲートから角楼に登れる。開館は8時30分。
見学はまた今度にしよう。ここならホテルからも近いし、今日は氏隠に会うことが先決だ。


第一関門
突撃隊員tuziはゆく!寄り道もせず建国門を目指す!
建国門南大街に折れた。このまま進めば古観象台が見えてくるはずだ。
ここは天文の動きを観察した、現在でいう気象台のような場所だ。今は遺跡であるが。

 古観象台。屋上には古代天文器具がみえる


古観象台が見えてくれば建国門内大街にある氏隠の職場を探すだけ。
氏隠の所属する国家機関は中国の頭脳集団だ。
労なく見つけることが出来たのはいうまでもない。
そりゃ、ロータリーには高級車が乗り付けられ、デカイ中国国旗がはためいているビルはそうそうないでー。
遠目からでもわかるっちゅうに!

玄関に・・・。
「(おいでなすったな・・)」
警備である。銃こそ差してないが、しっかりドアにへばりついて睨みをきかしてる。
「(あちゃー・・・)」
何か言われたら、とりあえずメモしてきたここの住所と氏隠の名前を見せて
「訪ねて来たんだ」と言うしかない。名刺を持ってくればよかったなあ・・・と思ったところで今更遅い。

警備の横を何食わぬ顔で飄々と通り過ぎた。ドサクサにまぎれてパスした、かにみえた。
が、そうではなかった!止められた。怖い顔で止められた。
「おいおい、どこに行く?」
「私はこの人を訪ねてきました(おいでなすったな・・)」
「※※学・・・この人を以前にも訪ねてきたことはあるのか?」
「いいえ」
「居場所(部屋)は知ってるのか?」
「いいえ」
「だったら電話して、ここに(1階ホール)来てもらったほうが早い」
「直接行ってもかまいませんか?」
「可以(かまわない)・・・だが電話したほうがいい」
おまえは部屋も知らないで行けるわけないだろう、と言いたいらしい。
そうなんだろうか・・・
「それでも直接行ってもかまいませんか?」
「可以・・・」

ほっ。
なれば、なんとしても氏隠を探し当てるどー!(←よゐこの濱口で)
さてさて※※学は・・と。
ホールの掲示板を見る。ここは15階ほどある研究機関である。
とりあえず※※学の階数を目指してエレベーターに乗った。
・・・それにしても静かである。
・・・エリート集団の匂いがする。
外界の雑踏とは世界が違う、って感じ。


第二関門
エレベーターを降りて廊下に立つ。
「!!」
あちゃー。
だから守衛さんは電話で呼び出したほうが早い、って言ったんだ・・・。
これじゃ、探し当てるなんざぁ至難の業だ!
狭い廊下の両側には個室の研究室のドアがズラーーーーーーーーーーーーーーーリ。
その数、数百、いや数千か・・・。
ドアの向こうに誰がいるかなんて知れたものではない。ノックすらできない雰囲気。
廊下も静まり返り、私はひとりムンクの「叫び」状態・・・
とりあえず歩く。誰か通りかかったら聞いてみよう。
・・・しかし、相変わらず廊下はシーーーーーーーーーーーーーーーン、としたものだった。

おっ!向こうからせかせか歩いてくる男性発見。
急いでいる彼をつかまえて「あの・・私、この人を探しているのですが、ご存じないですか?」
その男性は、私のメモを見て、「じゃ、こっちへ」と、あるドアに通してくれた。
てっきり氏隠の研究室かと思えば、そうではなかった。ここの人に聞いてくれ、ということだった。
彼は急いでいる上に氏隠の研究室を知らないのだった。
そりゃ、そうだよね。これだけ部屋数があって、研究対象が違ったら知らないのは当然だ。
とにかくヒントになるものでも教えてもらえればと、その部屋にいた女性に聞いてみた。
「・・・※※学?だったら廊下に出て右にどこまでも行って、近くなったらまた聞いてみて」
ということだった。誰もが忙しく、アポなし突撃訪問の私などにかまってる時間などないようだった。

とにかく氏隠の研究室群はここからかなり離れているらしい。
数十の研究室をパスし、クネクネ曲がる廊下をどこまでもズーーーーーーーーーーーーッ
進むと別のエレベーターホールに出た。そこに‘※※学’の掲示を見つけた。
部屋番号○○××〜○○△△とある。
「よっしゃ!」
部屋番号が絞れた!
廊下のドア番号を読み進む・・・それにしてもエライ部屋数だ。

○○××か、○○△△か・・・
ドアは向かい合っている。しばしドアの前に佇む・・・
「・・・クンクン(匂いを嗅ぐ)」
話し声も聞こえない。静かだ。意を決し○○××をノックする!
トントントン!
・・・・・・・・
静まり返っている。
トントントン!
・・・・・・・・
応答なし。ドアノブに手をかけた。鍵がかかっていて開かない。不在だ。

向かいの○○△△号のドア前に立つ。
トントントン!
「はーい」
返事が聞こえた!
私は「ニンハオ!」と言いながらドアを押し開けた。
ガチャ。


秀才はあくまでもクール
開いたドアを振り返る、男性がふたり。
みっけたーーーーーーーっ!
そこに氏隠が立っていた。
「我是tuzi。私はあなたを訊ねてきました」
「tuzi!二ーハオ。よくここを探し当てましたね」
いやあ、ノックふたつ目にしてビンゴだよ。スゲー!
私ってホントにスゲー!こんな部屋数から探し当てるなんてスゲー!

「2年前、あなた私に本を送ってくれたでしょ?ありがとう!これは少しばかりですがおみやげです」
「ありがとう。俺が送って、あなたから贈られる(笑)」
「そうそう(笑)」
「いつきたの?」
「昨晩着いたばかり」
「北京に来るんだったら、どうしてメールくれなかったの?」
「突然来てあなたを
驚かせたかったからよ!」
・・・てか、あなた全然驚いてないし!

「俺は今日しかここに来てないんだ。明日だったら会えないところだったよ」
「毎週火曜日だけ?」
「ああ。週に一日だけ」
「そっかー、だったら私は超ラッキー!ってことね♪」
「そうだよ、ラッキーだよ。いつまで北京にいるの?」
「7日まで。でも7日は朝早く発つから、6日までね」
「そうか。今日は何か予定はあるの?」
「ううん、何もない」
「行きたいところは?」
「城壁見たり、祭壇見たり・・・あとは書道用品、筆が欲しいのと、時間があれば京劇が観たいかな」
「書道用品は瑠璃チャンかなぁ・・・」
「やっぱり、そうなの?でも貴くない?」
「俺、行ったことないから。でもいい物買うなら瑠璃チャンかなぁ・・・」
「はあ?行ったことないぃー?そうなんだ・・・」
「京劇はここの隣が劇場だよ」
「あー、知ってるぅー。でもあそこは敷居が高くてね・・・」
「そっか・・・(笑)」
「ねえ、祭壇て日壇や月壇にもある?」
「日壇にはあるよ。月壇は分からない、行ったことないから」
「はあ?行ったことないぃー?そうなんだ・・・」
私は地図を広げ、さっき来がけに通りかかったことや、他の城壁跡を示して、
これらに行くつもりであることを話すと、徳勝門跡は「復元だから新しいよ」と氏隠が言う。
「だったらそこには行かないわ。ところで団結湖の馬先生の所へは行ってるの?」
「いや、引っ越してから行ってない」
「そういえば、メールで言ってたっけね。んじゃ私はあしたにでも団結湖に行ってみようかな。
2年前、おばさんにご飯ご馳走になっちゃってね。おみやげ持ってきてるの。
あなたの引っ越し先は団結湖から遠いの?」
「遠いよ。ここからだって3時間だもの」
「えー!?3時間もー!?」
氏隠は一体どこに住んでるんだ??北京じゃないのかい??
「tuzi、太極拳はしてるかい?」
「半年してない」
「どうして?」
「脚を痛めた」
「そっか、だったら架式を高くして無理しないで動いたらいい」
「そうね。治ってきてるからそろそろ始めるわ」


お邪魔しました。再見!
話しの途中でも電話をかけたり、同室の青年のパソコンを操作してあげたり、忙しそうな氏隠だった。
あまり長居はできないと思った。氏隠がお茶を淹れに行ってる間、同室の秀才青年としばし話した。
「氏隠さんとはどうして知り合ったのですか?」
「2年前、太極拳でです」
「中国語お上手ですね」
「あ、いや。すっかり忘れてしまいまして・・・」
「学校に通ったのですか?」
「独学です。何年も前にラジオで1年、いや半年くらいしか勉強してなくて、
それ以来聞いてもいないのですっかり話せなくなりました」
「氏隠さんの太極拳は素晴らしいのでしょう?」
「はい。陳式、楊式、呉式どれも一流です。棒極了!(←素晴らしいということ)
氏隠は勉強もできるし、仕事も立派だし、太極拳もスゴイです。彼はなにをさせてもパーフェクトね!」
私に語学力があれば、憎たらしいほどパーフェクトね!と言いたいところだった(笑)

その青年は会議に出かけていった。
「あなたも行くんでしょ?」
「ああ、あとでね」
行かねばならないのに、私がいるから行けないのだと思った。私はおいとますることにした。
「いいのよ、ここで。おくらないで」と言ったが、氏隠はエレベーターまでおくってくれた。
「推手はしてるかい?」
「してない。相手がいないもの。氏隠は越してからも推手してる?」
「してない。ひとりで太極拳してるから」
「ふふ・・・だったら私といっしょね(笑)」
「(笑)」
「それじゃ、再見!」
「再見!」
エレベーターのドアが閉まる。手を振って別れた。
氏隠に次回会えるのはいつだろうか・・・


氏隠のこと
私は氏隠のことを友人と思っている。年も同い年なのでタメである。
その友人を訪ねるのに何の遠慮があろうや。私は勝手ながらそう思ってる。
だが、日本の知人に氏隠の職場を訪ねた時の話しをしたところ、
「それは、東大の教授にアポイントメントもとらないで行ったのと同じ行為だ」とたしなめられた。
まあ、氏隠の秀才ぶりは私だって承知している。
彼は北京大学大学院(中国の最高学府)を卒業し、専門分野である※※学を、
イギリスにおいて教鞭をとったくらいの人物である。
その彼の職場の名前も、私などは覚えられないでいるくらいなのだが、
日本の知人に言わせれば「それは、すごい!」とのこと。
国際的な発表も、そこの先生から発せられるほどの国家機関とのこと。
その知人が言うには「そんな有名な機関の名前も覚えられないの?」とのことだった。
「ふーん・・・」
まあね。すごいのは分かったけど、だからって私が訪ねちゃいけなかったの?

帰国後、氏隠からメールが届いた。しかも彼には珍しく長文だった(笑)
tuzi。(略)私は現在もずっと忙しくしてます。8月から1年間アメリカに行きます。
次に来る時は前もって連絡くれよ。今回の北京では何ぞ新しい収穫はあったかい?
機会があれば日本で再会できることを望んでいます。元気で!

ひょえー!今度はアメリカかいっ!
やっぱ、あんたは中国の宝。中国の要人なんだね。
日本で再会できるのも近い将来かもしれない。私はそう確信したのだった。


道を尋ねる
氏隠と再会を果たし、職場を出たのが10時30分頃。ここから秀水市場を目指そうと思う。
やはり2年前、バスで通りかかった秀水市場は狭い路地に人が群がる活気ある市場だった。
建国門外大街をまっすぐ1.5kmほど歩けば着く。
途中、友諠商店を横に見ながら・・・
「出た!」
出ました!
マクドナルド!ピザハット!31アイスクリーム!
しかも、友諠商店にだよ・・・ガックシ。
というよりも、もはや諦めの境地である。この増殖を食い止める法はすでにない、とみた。
よりによって友諠商店にだもんね・・・。
今回私が見たところでは、一番目に付いたのが(鼻につくでもいいが)ケンタッキー
次がマクドナルドピザハット。他には31アイス回転すし
数こそ少ないが、吉野家(北京駅付近)にセブンイレブン(前門)。
珍しいところではスターバックスコーヒー。うー、やめてくれぇ(泣)

と、泣きが入ってるところへ「ほにゃららへはどう行けばいいの?」と聞いてきたお嬢さんがいた。
「?」
「ほにゃららよ。知りませんか?」
「さあ、わかりません」
今回の滞在で、私は一日に3回はこうして突然道を尋ねられた。
どぢて?
そして一度は教えてあげたこともある。
バス停でバスを待ってる時も「このバスはほにゃららへ行くのか?」と突然聞かれたりした。
この質問には完璧に答えてあげて、「××番バスに乗れば行く」とまで教えてあげたりした。
さっきも話したとおり、バス停には行き先が全部書いてある。
字さえ読めれば、私にだって自由自在にバスに乗れる。難しくない。

というか、どぢて私なの?地元人に見えるかい?尋ねやすい顔してるのかい?
そーいえば、私は日本でもよく道や電車を聞かれたりする。
やはりボーッとした顔してるから聞きやすいのだろう。こういうことは万国共通のようだ(笑)
(「tuzi now」2005年5月1日参照)


新生‘秀水’
なんだか立派なビルの新築祝いしてるんですけど。
真新しいビルの前の広場で賑やかに踊ってます。
そして出番を待つ人たちやエントリーしようとする人たちが控えていて大変なことになっています。
なんなんでしょ?
とりあえず、そのビルの中に入って見る事に・・・。
「ありゃま・・・」
中は二坪ほどの細かなブースに区切られていて、どうやらテナントが入るようです。
まだ工事中で、控えのおば様方が派手な衣装でリハーサルに余念がありません。
よくよく見れば、外の広場もまだ工事中です。工事中なのに、落成式典ですか?

てか、ここはなんなんじゃ?
と見上げたそこに‘秀水’の文字!
「はあ?」
‘秀水’って市場通りじゃなかったんですかぁ?
以前は確かに‘通り’だったはずなのですが、ビルに生まれ変わりました!とさ。
警備の人に聞いてみる。
「いつオープンするんですか?」
「11日」
「今月?」
「そう。3月11日」
今日は3月1日だから、あと10日でしょう?・・・えー?無理でしょうって!
だって、工事中だし、テナントもまだ入ってないし・・・
いんや、日本じゃ無理でもそれが可能なのが中国なんですってば!

 踊る踊る踊る・・・秀水御殿


平井堅
そんなわけで、秀水で買い物しようと思ってやってきたが叶わず。
次にめざすは日壇である。秀水を左に折れて秀水東路に入った。
ここの通りには小ぶりのCDショップが並んでいる。軒並み入ってみた。
お店によって置いてる品物にバラツキがあるから、私は3、4軒でかなりの枚数を買い込んだ。
一気にバーバパパバッグがいっぱいに!
CDは一枚10元から15元。新譜になると70元になるのもある。
VCDも一枚10元から15元。DVDはちょい貴くて20元くらいから。
でもここの通りでは映画DVDが10元から20元で買えた。
スパイダーマン2を買ったのは言うまでもない。ぐふふ・・・中国語字幕でスパイダーマン2じゃ!
CDは以前から聴いてみたかった王力宏。曲は知らないので、とりあえず新らしそうなのを購入。
それと平井堅。「瞳をとじて」がやっと聴ける♪(遅っ!)

寒さしのぎに買い物を楽しみながら光華路に折れた。
なんだか、ものものしい警備なんですけど。台の上に乗って厳重なんですけど。
それもそのはず。ここは大使館密集地帯なのでした。


厳重警備。この通りは妙に静まり返っていて緊張感漂う・・・




3月1日(火)
初日
「建国門〜秀水〜日壇〜雅宝路〜王府井〜東単」

 :pm
蹴鞠ならぬ蹴羽根
お昼、日壇公園到着。寒さを堪えて祭壇に直行。
2層の祭壇はあったが、天壇にみるようなプレートはなかった。


内部に白い階段が見えますね。あれが祭壇です


祭壇脇では凧揚げをしている人。蹴鞠ならぬ羽根を足で蹴って遊んでいる人たちがいた。
しばらくボーッと見学した。なかなか続かないけど楽しそう・・・。


赤い羽根を脚で蹴ります。ラリーはなかなか難しい・・・


少し公園内を散策していたが、お腹がすいた。
もう1時を過ぎている。鐘楼を見ようと行ったところにレストランを見つけた。
あとで知ったことだが日壇公園の中には食事ができるレストランが2軒あるらしい。
日壇飯荘と愉園飯荘だ。私がぶらぶらしてみつけたは北西の角にある愉園飯荘だった。
「ひとりなんですが」と入っていくと店内には2人しかお客がいなかった。
その2人も、もう食事もすんでお茶してるところで、店内は静かだった。
メニューをもらったはいいが、わからない。
「わかりますか?」と聞かれ、「うーん、わかりません。麺が食べたいです」
私は焼きソバのようなのが食べたかったのだ。
お店のお姉さんは、「これは辛いです。これは醤油です。これは・・・」と親切に説明してくれた。
「それと、野菜が食べたいです」と、2皿注文した。

 ボリューム満点。味もよい


外の寒さで体が冷えきっていた。たぶん1℃あるかないかだろう。お茶を飲んでホッと一息・・・。
料理がでてきた。その皿の大きいこと!
まあ、いい。ゆっくり食べよう。
「美味しい!」
味がしっかりしていて、とっても美味しかった。壁を見たらここは4つ星レストランだった!

1時30分頃、ヨーロッパ人の団体旅行客が入ってきた。
団体客以外の客は私だけになっていた。
平らげようとがんばったが食べきれないので、パックをもらうことにした。
「もう、お腹いっぱいです。持って帰ってもいいですか?」
(↑中国ではみんなそうしている一般的なことで、日本でのことのように恥ずかしいことではない)
「もちろん、いいですよ」


目隠ししたカゴの中には愛鳥が止まり木にしっかり捉まっている。
おじさんは愛鳥の脚と腹筋を鍛えるために、わざとぶら〜んぶら〜ん振りながら歩く。
そうすることによって鳥の声が良くなるからだ。中国伝統の愛鳥愛好者は健在だった!(嬉)


日壇路のマーケット
私は日壇を制覇し、日壇路にでた。今日のお買い物は王府井だ。
・・・つーか、さっきDVDの類かなり買ったでしょ!って。・・・とにかく王府井をめざす!
日壇路を歩いていたら怪しい市場を見つけた。
その市場はロシア文字?アラビア文字?で書かれていた。
なんかアラブ人?にも見えなくもない、たぶんロシア人?がたむろしている。
市場といっても小売というのではなく、卸しが主なのだと思います。
「中に何があるんだろう?」
思いっきり場違いなのは分かってますが、覗きたくてガマンできましぇん。行ってみることに・・・。

うっわー、怪しい雰囲気プンプンです・・・(怖)
なんか、刺さるような視線を感じるんですけど・・・(怖)
怖くない、怖くない、と自分に言い聞かせ、狭い通路を進んだ・・・(怖)
商品は織物の敷物とか革製品、例えば革ジャンとか。刺繍や織物のクッションカバーなど。
屋根のかかっている細長い通路の真ん中には樹木が植えられたままだ。
そこでさっき見た蹴羽根で遊ぶ女店員達。この遊びが流行なのだろう。
通路は突き当りになっていて通り抜けできなかった。仕方ない刺さるような視線の中戻った・・・(怖)

戻る途中で剣を発見!日本刀からアラビア刀まで揃っている。太極剣もある。見せてもらうことに。
あれこれ抜いて見せてもらった中に、気持ち悪いくらい‘しなる’剣があった。
「(欲しいなあ・・)これはいくらですか?」
「150元」
「(え?安いじゃん。これだけしなる剣が150元か・・)まけて貰えますか?」
「いくらだったらいい?」
「100元」
「なにバカ言ってんだよ。無理だね140元が限度だね」
ここから粘る。粘った。気がつくと周辺のお店の人たちが私の後ろでずらーーーり取り囲んでいた。
どんなに粘っても135元以下にはできないと言う。
それ以下では「売らない」とまで言われた。
そういわれて私もムカついた!!
売らないだとお!ああ、上等だよ!
買わずに立ち去ろうとする私に、後ろで状況を見守っていた女店員達が聞いた。
Aさん「あなたはどこ人?」
tuzi「どこ人に見えますか?」
Aさん「韓国人!」
tuzi「ブーッ」
Bさん「タイ人!」
tuzi「ブッブーッ!
Cさん「マレーシア人!」
tuzi「ブッブーーーッ!
Dさん「日本人!」
tuzi「ピンポン、ピンポン!」
てか、なんで一回で当たんないんだ?2002年もそうだった。
あの時は、最初にマレーシア人か?と言われ、「違う」というと韓国人か?、って言われたっけ。
「違う」と言ったら、だったらどこ人だ?って言われたっけなあ・・・
どー見たって日本人顔だと思うんだけど。あまりにシツコク値切るから?(笑)

とにかく「売らない」と言う店主にムカついた私は市場を後にし、「ムカつくー!」と、ひとりグチリながら歩いていた。
しばらく歩いてから、いや待てよ。135元でもまあ安い買い物なのでは、と思い始めた。
戻って買おうか・・・でも旅は今日始まったばかりではないか・・・他でも見つけられるかも・・・。
いやいや、そう思って見つけたためしがないではないか・・・結局私は戻った。
そしてもう一度見せてもらった。
「(いい剣だ・・・)」
でも店主は135元のラインを頑として譲らない。
その頑なさにもムカついたが、ネックは鞘だった。鞘がアルミなのだ。
やっぱ、いらない!こういう‘しなる’剣は持っていないが、剣を3本も持ってるんだもの。
見てしまうと欲しくなるのは‘太極拳バカ’の性(さが)なのだが、これはやめておくことにした。

建国門北大街に出てバスを探そうと雅宝路に曲がった。
この通りも看板はロシア語だかアラビア文字ばかり。イスラエルの宝飾品やロシア人街のようだった。
ずいぶん歩いた。建国門北大街から前門までバスに乗った・・・。


遠回り・・・
前門で降りて、前門東大街を横に行けば王府井だと思っていた。勘違いしてしまった!
天安門前の東長安街を横だったのだ・・・
途中、本屋で地図を買った。4元だった。
結局、通りを一本間違っていることに気づき、崇文門内大街を東単に向かった。
ホテル前まで来てしまったではないか・・・
東長安街に折れてやっとこさ王府井に到着。疲れた〜〜寒い〜〜
崇文門内大街から東長安街経由は長いよ!!(泣)
しかもさっき買った地図が王府井の地下道で2元で売ってるのを見つけてしまって、
疲労倍増だよっ!!


王府井書店
真っ先に王府井書店へ。太極拳関係の本はここが一番充実している。さっそくチェック!
残念なことに変わりばえしない本ばかりで、今回はめぼしい本はなかった。
ペラペラめくっていると、店員さんが「ちょっとだけそちらでごらんになってて下さい」と太極拳関係の本棚から遠ざけられた。
「(なんで?)」と思ってソッと覗いていると、太極拳本リストを手にした店員さんがストップウォッチで時間を計られ、
もの凄いいきおいで本を集めている。
反復横跳び状態で集めたその集めた本が正確かどうかもチェックされていた。
私の近くにいたお客さんが「試験だな」とつぶやいていた。
太極拳本の在りかを正確に覚えてるなんて感心してしまう・・・。
老舗王府井書店ならではの光景だろう。


外文書店
王府井に来たらもう一軒チェックしたい書店がある。外文書店だ。
今回は太極拳のDVDをたんまり♪tuziニンマリ♪
ここの1階は写真集なども豊富だ。古き城壁や古き胡同の写真集、ハガキを買う。
う〜〜重い〜〜
本て重いですよねー。それに今日はDVDの類が数十枚も・・・もう、持てましぇーん・・・。
外に出ると薄暗くなっていた。
「(さてと、帰るとするか・・・)」
私、明るいうちに帰らないと方向感覚がなくなるんです。(←おまえはニワトリかっ)

王府井の歩行者天国通りにはブロンズ像がいくつかある。
その中でも人気なのが、人力車の像である。それに乗って写真を撮る人はひっきりなしだ。
私も撮りたいが、誰かにお願いするのもはばかれる。
今年も写真を撮っている人たちを眺めていたが、その中に日本人青年3人組を見つけた!
見つけたというより日本語が聞こえたのだ。大学卒業の旅行だろう。
私はその青年に「写真を撮って欲しい」と頼んだ。
ひとりにカメラを渡し、もうひとりに「これ頼む!」と荷物を持たせた(笑)
そして念願の人力車撮影が実現したのだった(嬉!)

   王府井にあるブロンズ像


新茶の季節
かつて金魚胡同は長屋街だった。
しかし、3年前訪れた時は長屋は新しく生まれ変わり、マクドナルドができていた。
今回は・・・その新しかった小さなテナント長屋すら取り壊されていた。
おそらく高層ビルでも建つのだろう。
母と来た時、新茶の季節に大袋の‘黄山毛峰’を買ったお茶専門店はあの頃のままだった。
お店の前を通りかかったら「新茶ですよー」と店員さんが店先で試飲をさせていた。
懐かしくて、試飲をして店内に入った。中国の3月は新茶の季節だ。
店内にはお茶の専門店らしく、茶葉を使った菓子なども豊富で、私にお菓子も試食させてくれた。
私は大袋の‘黄山毛峰’を購入。‘黄山毛峰’は中国緑茶だ。
葉が青々と大きくひらいて、新茶らしい香りがする新茶を私は美味しくいただいている。

 新茶三人娘♪


さてさて寄り道してる場合ではない。暗くなってきた。早よ帰らねば!
東単北大街を南下して崇文門内大街をさらに南下すればホテルだ。
てか、これが遠い!
歩く距離じゃなかった・・・(泣)


新華書店
さっき、お茶で温まった体も即行で冷えた。
寒いよ〜〜重いよ〜〜
ホテル目指して黙々と歩いた。あたりはいつしか真っ暗。
寄り道しないで帰るつもりが、書店を見つけてしまって、またも入ってしまった。
その新華書店は店内がとにかく騒々しくて、店員さんがひっきりなしにわめいている。
「(閉店時間だからなの?)」
そう思って聞いてみたが、違うらしい。ここでもまたVCD買っちまった・・・。

外はすでに真っ暗!寄り道してる場合じゃなかったのに・・・歩くしかない。
ホテルはまだまだ遠いのだろうか・・・。
私は一体どこまで来たのだろう?ここはどこ?寒いし、空気はホコリっぽいし、疲れたよ〜
もうずいぶん歩いたはずなのにホテルが見えてこない。
この通りで間違いないか不安になってきた。
もしや、また通りを間違えたのではと思い、立橋があったので渡ることにした。
ぎゃっ!揺れてますよ・・・
この橋、かなり揺れてますってば・・・(怖)
上下に揺られながら歩道橋の中央に立ったら、哈徳門飯店のネオンが見えた。
ふ〜、焦りましたよ〜、これでやっと安心して歩ける。

明日は明るいうちに帰ってこよっと!
夕飯は部屋でお茶を淹れて愉園飯荘からお持ち帰りの炒麺でした。
「今日は歩きすぎたぁ・・・」

眠いのをこらえて両親にハガキを書いた。


今日、北京での一日目が無事におわりました。
昔の北京にあった城壁を残ってる分だけでも見たいと思っていましたが、さっそく見ることができました。
やはり想像を超えて感動しました!
明日は筆を買いに行きます。
天安門の近くで昔の門のひとつ前門にも登楼するつもりです。
こうして古い北京のおもかげを追う旅をしていると、あっというまに日にちが過ぎていくことと感じています。
今朝は雪でした。
一日気温があがらず寒い一日でした。マフラーが大活躍です!
食事もお腹いっぱい食べています。心配いりません。
2005.3.1 北京にてtuzi



2日目



本日のお買い物
秀水東路 平井堅CD・王力宏CD・映画DVD4枚
外文書店 写真集2冊・ハガキ2冊・太極拳のVCD9枚
新華書店 書道のVCD1枚
その他 お茶葉・地図
見学 日壇入場10元
バス1元×1回
食事 昼食兼夕食28元