故宮博物院(5) 花鳥画

<このページには私が実際見たもの、見たかったものを集めています>
(館内は撮影禁止ですので、写真は資料からの転載です)

2階 絵画

花鳥画
北宋 
   「歳朝図」 趙昌(ちょうしょう)

宮廷画家。牡丹、水仙などの花々を中央の岩を取り囲んで岩絵の具で描いている。
   「双喜図」 崔白

晩秋の山道の一瞬を捉えた山水画。
上を見上げるウサギ。そこにはけたたましく鳴くカササギ。
縄張りを邪魔されたことに抗議しているのだ。
   「臘梅山禽図」(ろうばいさんきんず)  徽宗

     

梅にとまっている2羽のむくどり。その重みで梅の枝がしなっている。
皇帝は言っている。
「対象とした全てを描くのではなく、余白によって見る側の想像力をかきたてるものだ」と。
徽宗の書は一流だが、絵画でも一流だった。真に芸術派の皇帝だったと言えよう。
歴代皇帝の中で、宝物に造詣が深かったのは清の乾隆帝と宋の徽宗だが、
自身もたしなんだという点で徽宗に敵わない・・・。
   「丹楓ゆう鹿図

     

紅葉の森。元々は5枚の屏風だったが、現存しているのは「秋林群鹿図」とこの2枚のみ。
「丹楓ゆう鹿図」の方は、森で何か起こったのか鹿がみな同じ方向を向いている。
南宋
   「杏花春鳥図」   林椿(りんちゅん)
   「花藍図」   李嵩(りすう)

鳥の羽を細密に描いたり、花を濃厚な色彩で描いた(重彩)が多く見られる。
   「秋諸水禽図」 呂紀

夜の雁の群れ、一羽の雁が危険を察知したのか月に向かって鳴いている。
その一瞬を捉えている。細密な観察による描写。
呂紀は‘山水花鳥画’といわれるほど、背景の自然と焦点の雁が一体をなしている。
   「秋鷹図」(しゅうようず) 林良

獲物を見つけて急降下する鷹、鷹に狙われた九官鳥の表情・・・。
その一瞬の緊張・・・。

呂紀とは対照的に自然の背景がない。それだけ対象がより際立っている。
しかも水墨一色で豪快に描いている。是非見たかった一枚。


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