故宮博物院(1) 陶磁器・唐三彩

<このページには私が実際見たもの、見たかったものを集めています>
(館内は撮影禁止ですので、写真は資料からの転載です)

2階 陶磁器
白磁 
定窯
「牙白劃花蓮花梅瓶」

景徳鎮、高嶺山の土で焼かれた白磁。
青磁
汝窯
天青無紋楕円水仙盆

宋の徽宗皇帝がつくらせた。
汝窯での製作は20年と短いため、現存する作品は30点と極端に少ない。 
清の乾隆帝は復元を試みるが叶わなかった。
お気に入りだったこの水仙盆の底に詩を書いている。
当時の青磁は玉を理想とした。
玉のような肌合い、ひび割れも無い。
この青は「雨過天青」といわれている・・・
雨上がり雲間から覗く湿り気を含んだ青空の青。
「雨上がりの空の青」という意味の「雨過天青」を私は見てみたかったのだ。
この盆は油断すると見逃しそうなほど小ぶりだった。
青というか、水色というか・・・何とも形容し難い淡いブルーだった。
「へえ・・・これが「雨過天青」か・・・」と眺めた。
玉に限りなく近い仕上がりをみせ、トロンとした艶があった。
きめの細かい完璧な焼き上がり。
それは他の青磁と比べてみれば一目瞭然。
宋磁
龍泉窯 
粉青盤口鳳耳瓶

透明感を帯びた淡い青色か特徴。
青銅器の形を模した作品が多い。
哥窯
千利休が好んだ黒の‘天目茶碗’
禾目(のぎめ)という釉薬の縦線が特徴的。
冷えて固まる際の時間差を利用し、貫入のひび割れに灰をしみこませて
わざと黒の模様を作ったものもある。
唐磁
景徳鎮
唐代に入ると西洋からコバルトが入るようになり、
これまで出せなかった青が表現できるようになった。
景徳鎮は高嶺山の白磁が見事である。
この白磁に筆で青の模様を書き込んだ。
景徳鎮が現在も焼き物の街として有名なのは、
こうした時代の変遷に適応し、新しい挑戦をし続けたからであろう。


2階 唐三彩
文官桶

高さ73cm
唐三彩の展示品は大きな作品が目立つ。
以下の作品にしても同様である。
以前洛陽の博物館で唐三彩を見たことがあるが、
生産地であるだけにコバルトの青が効いた唐三彩が数多く見ることが出来る。
だが、その芸術性となると残念ながら台北故宮には敵わない・・・。
三彩馬

高さ66cm
彫刻として見ても見事な出来ばえ。
唐三彩の馬のモチーフはお土産用として大量生産されるほど定番中の定番だ!
日本の埴輪と似てるね?
三彩天王増長天

高さ1.2m
天に向かって人差し指を突き立て、くびれたウエストにもう片方の手を当てているポーズの増長天。
唐三彩の鮮やかな彩が鎧兜に施され見ごたえがある。
唐は安禄山の戦いに破れ急速に勢力を弱めた。
その原因は、楊貴妃にうつつをぬかした玄宗皇帝の浪費にある。
唐三彩も唐の滅亡に伴いその姿を消した・・・。


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