2003年香港国際大会(1)

「2003年香港国際武術大会」参加への道のり

2002.10.1
インターネットの掲示板で2003年2月に香港で国際大会が開かれるのを知った。
応募要綱を読むと(中国語と英語)個人での参加が可能とある。
ただ、私は外国人なので、指定されたホテルに滞在を申し込まなければならないようだった。
「それこそ、個人で調達したいのに・・・その方が安上がりや・・・」と思い、個人的に、ホテルを予約して行きたいが、
そういった申し込みは可能かどうか、質問してみることにした。
電話番号と、ファックス番号が載っている。
ファックスで問い合わせしようとしたら、番号が間違えていたらしく入らない。
e-mailは不明だったので仕方なく封書で郵送した。


2002.11.1
香港から電話が来た。
e-mailアドレスを聞いて質疑応答が始まった。
基本的には参加外国人はホテルを申し込まなければならない規則のようだ。
私のようにこっちで用意するとなると、香港人扱いとなり、
参加費も香港ドルで支払わなければならないとのことだった。
「日本から香港ドルを送る」
これが結構面倒だった。アメリカドルならその点簡単に済むのだが。


2002.12.3
現金となると100香港ドル単位でしか扱っていない。
小切手を送ることにした。
小切手というのはオールローマ字表記しなければならない。
一度目、銀行に行ってそのことを知り、戻ってローマ字(英語)を調べて、再度作りに行った。


2002.12.10
申し込みの書類と、小切手、写真など一式そろえて送った。
念のために、「着いたら連絡欲しい」とメールも出した。
「これで、よし!!」
後はホテルと航空チケットだ・・・


2002.12.18
香港から電話が来た。
「表記が違ってて、換金できません」
「そんな・・・応募要綱の表記ですよ!」
「あれは中国語読みで、換金する人の身分証は広東語表記されてるんです」
「・・・そんなあ」
そんな表記はどこにも記載されていないから、向こうの落ち度なのだが仕方ない。
結局、小切手は送り返してもらうことにした。
やり直しだ。申込締切は12月31日・・・間に合うのか?
「ダイジョウブ、ニホンカラホンコンクルノカンタン、カンタン、
ヒコウキチケットモッテノレバ、スグツクカラ」
そういうことじゃないよ!


2002.12.25
香港には「クリスマス到着便」なる郵便があるらしい。
それで、小切手が送り返されてきた。


2002.12.27
香港人が言うには「宛名だけを変えることが出来ますよ」だった。
半信半疑で銀行に向う。
この日は大荒れの吹雪の日で、命がけで向ったのだった。
事情を話したところ、「お気の毒ですが、この小切手は使えませんね。
再発行というのは出来ませんし、解約も小切手にはありません。
‘組戻し’と呼ばれる処置しかありませんね」

やっぱりね。

‘組戻し’とは、いったん香港の銀行に送金したお金を、また日本の銀行に返してもらうというもので、
その際送料が発生する。船便なら700円、航空便なら3000円。
いずれにしても早くとも1週間はかかる。
送金した際の手数料2500円、返してもらうのに2500円。
全部で少なくとも5700円の無駄。

おのれー!!

「いかがいたしますか?」

我に返った私は、とりあえず小切手を作るのは止めた。
だって、またこんなトラブルがないとも限らない。なにせ相手は香港人だ。
軽く考えすぎてると言うか、大陸的と言うか・・・

とりあえず、800香港ドル現金でもらうことにした。
向こうで50香港ドルお釣りをもらおう、と考えたのだ。

しかし銀行を出てからも怒りは収まらない。
この足で郵便局に向おうと封筒を書いてきていたが、なんだかだんだんどうでもよくなってきた・・・

5700円あったら、2種目参加できたじゃんか!!

今日にでも送らないと間に合わないが、ほっておこう。
帰ったらメールでいきさつを訴えてやる!!


2002.12.28
もう、参加はしない覚悟でメールをだした。

日本では小切手の宛名だけを変えることはできないこと
100香港ドル単位での換金しかできないこと
だから、わざわざ小切手にしたこと
小切手は漢字で作れないこと
この一件で5700円が無駄になったこと
あんたらが考えているほど事態は簡単じゃないこと
責任とってくれるか、ということ(ダメもとで)

怒りを抑えながらも、どうせ参加できないのだからと思いのたけをぶちまけた。
だって、締め切りは12月31日(現地消印有効)なのだから・・・


2003.1.1
年内に返事が来なかったので、無視されたものと思っていた。
他の参加者の事でそれどころじゃないだろうし・・・

メールをチェックした。

あげまして、おめでとうこさいます。

濁点の位置が微妙にちがう・・・(笑)

いろいろ迷惑をかけました。
参加費は400香港ドルでいいです。
そして、あなたは香港に来てから払っていいです。


おおー!!やりい!!
言ってみるもんだなあ。これは春から縁起がいいわい!?

だったら、行くしかないでしょう。
航空チケットとホテルの手配だ。

しかし間に合うのか?


2003.1.12
方々の旅行社からパンフを集めることからはじめた。
個人で航空券とホテルの予約だけで行くよりも、ツアーのフリーパックの方が安くあがるからだ。
だが、香港の底値は6月と12月。2月はどのパックも高かった。
今回は個人で行った方がよさそうだ・・・


2003.1.21
もういい加減申し込まないと・・・と思っていた所へ安いパック旅行のパンフを見つけた。
これにしよう!と、行きつけの旅行社へ向った。
別の会社に置いてあったパンフだが受け付けてくれるというので、10日間の予定で申し込んだ。
今までで最長日数の滞在だ!
費用はそれなりに高額になったが、「大会参加」という目的があってのことだから目をつむろう!
大会は4日間だから、行き帰りをみても6日間の滞在で済むといえば済むのだが、師父の生死も確かめたいし・・・
行きたい思い出の場所もあるので、
「いいや、行っちゃえ!」
とばかりに10日間になってしまった。

それもこれも自由業の極み。
仕事でお世話になってる方々にとっては迷惑な話でしょうが、帰ってきたら、
うんと仕事するから勘弁してね♪
なんなら、パソコン持参で仕事持って行ってもいいよ。ホントに。

そんな、のんきなこと言って・・・

参加種目の練習はしたんかい!!
(自主トレ日記参照)


2003.1.31
飲み会で二次会への移動中、私はH氏と話していた。
H氏「旅行行かないんですか?」
tizi「行きますよ」
「どこに?」
「香港」
「またですかー!?」
「うん、今回は目的があるから」
「なんですか?」
「大会があるの」
「大会?太極拳の?」
「そう」
「出るんですか?」
「うん。参加しに行くの」

えーっ!!
だって、それって国際大会でしょ?
tuziさんなんかが出場して、なんだあれ。とか
言われたりしないの?

「そうね。そう言う人もいるかもしれないわね」
「もう決めたんですか?」
「うん」
「みんなに言いふらしたから行かないわけにいかなくなったとか?」
「そういうわけじゃないけど・・・」

黙ってたけど・・・
なにかい!!私が出たらそんなに恥かい?
恥ずかしいから出るのをやめろ、
考え直せってことかい?

ちなみにH氏は一度も私の太極拳を見たことがない・・・


2003.2.1
大会の集合場所と時間をメールで香港に問い合わせていたが、返事が来ない。
とっても心配だ・・・
最悪、香港についてから電話してみよう。
とっても心配だ・・・
エントリーされていないかもしれない。
出場目的で行くのに、参加できないことがあるかもしれない。
なんてったって、主催は香港人なんだから・・・


2003.2.18
結局、メールの返事は来なかった。
申し込みはしたはずなのに、その後大会側から何の連絡もない。
大会会場がわからない。時間もわからない。
母には‘ガセネタ’呼ばわりされた・・・
参加も確定されないまま、大きな不安をかかえ、あしたいざ香港へ!
いや、とりあえず香港へ!
どうなるtuzi・・・


(つづく)